女の人の価値は、美しさだけではない。
どれほど純粋に自分を愛してくれるかだ…そんな風に思っていました。
でも、あの女のおかげで僕はやっと気がついたんです。
異常なほどの愛情が、女の人を、そして関わる人間の人生すらを壊してしまうってこと、
純粋な愛情は行き過ぎると執着に変わり、執着は憎しみへと変貌を遂げるってことを…
少し長いけれど、どうか僕の話を、聞いてください―
堂島ユウキの目の前に突如現れた黒髪の美女・ひとみ。次第に彼女の異常性に気がつき、ついにひとみと決別した。
ユウキは雅子と順調に愛を育んだ末に結婚する。失意のうちに実家に帰ったひとみだったが、ユウキへの想いを諦めきれずに東京行きの新幹線の切符を買ったのだった。
ーひとみ…?
午後7:00、五反田駅。
雑踏の中で僕は、たしかにあの女の後ろ姿を見た気がした。
雅子との結婚後、かつての家は引き払ったものの、父の事務所はまだこの駅にある。
どうしても立ち会わなくてはいけない契約を終え、急いで駅に向かった僕の数メートル先に、見......
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