「今日は和食」な気分 Vol.9

西麻布きっての和食店が新たに始動!〆のウニご飯が驚愕の美味さだった!

西麻布には名立たる美食家たちを唸らせるあらゆるジャンルの名店が数多に存在する。

その中でも和食といったら『霞町 すゑとみ』だろう。そんな名店が内装も看板もそのままに店主だけを変えて再始動!

名店の風格が残る店内でいただく新しき和食を是非ご堪能あれ!


あの『霞町 すゑとみ』が、すべてを委ねた和食の新鋭とは
『霞町 やまがみ』

新旧交代は世の常。和の名店として多くの食通らが通いつめた『霞町 すゑとみ』の末富康雄氏が、修業先だった『分とく山』の跡地に暖簾を掲げたのは、今をさること13年前。2005年のことだ。そして、今、また、新たな世代交替が行われた。

今年3月に勇退した末富氏の後を受け、同じ場所にてスタートした『霞町 やまがみ』がそれだ。

新たに店主となったのは山上知亮氏、38歳。専門学校を卒業後、数店で修業。10年前に『霞町 すゑとみ』の門下となってからは、末富氏の片腕として厨房の裏方を守ってきた。

「彼はとにかく真面目。信頼のできる料理人です。彼が居たおかげで店をやってこれたと言ってもいい。だからこそ、この店を譲りたいと思ったのです」とは末富氏の弁。

今回、末富氏以外のスタッフは、そのまま全員変わることなく引き継がれたというから、山上氏の人望のほどが伺えよう。内装も以前のまま。

清廉とした落ち着きのある店内の雰囲気は、今も少しも変わらない。

「焼きすっぽん」酒と醤油、すっぽんのスープを合わせた特製のタレにつけながら焼く。すっぽんの部位は前足、後足に首


「大将(末富氏)は、料理への探究心が本当に素晴らしい。食材への考え方や姿勢はとても勉強になりました。私自身もそれを見習って、素材の持ち味をできる限り生かした料理を作っていきたいと思っています」

謙虚に語る山上氏。先付けに始まり、炊き込みご飯、甘味まで全10品余りが登場するコースの中には、〝すゑとみ〞時代からの名物「焼きすっぽん」も健在。

生から特製のタレを絡ませながら、炭火でじっくりと焼きあげるすっぽんは、精悍な香りと小気味よい身の歯応え、そしてじんわりと舌に広がる滋味豊かな味わいが後を引く佳品。

また、最も気を使うというお椀もセオリーは末富流を継承。利尻昆布と本枯節を用い、「水出しにして昆布の甘味を引き出し、味の加減をギリギリに抑えるよう心がけている」そうだ。

「賀茂茄子の煮物」風味豊かな胡麻餡は肉質が細かく歯切りの良い賀茂茄子と好相性


一方、独自の料理も模索中で、「賀茂茄子の煮物」などはその一例だろう。

賀茂茄子を一度油で揚げ、油抜きした後に出汁で炊くところまでは従来通りだが、そこに一工夫。緩い胡麻豆腐のような胡麻餡をかけることで、賀茂茄子本来の風味を損なわぬ程度にこくをプラスした。

「雲丹ごはん」お米は、魚沼のコシヒカリ。これを、出汁は使わず、栃木の水と醤油のみで炊き上げるのが同店流。もちろん、土鍋で炊きたてを提供。北海道の紫雲丹がたっぷりとのった豪華な一品。料理は、全て¥25,000のコースから


また、〆の食事も炊き込み御飯ばかりではなく「ゆくゆくは、土鍋で炊きたての御飯とおかずといったスタイルも試したいですね」と静かに語る山上さんは、物腰も柔らかな30代。

コースも1万5,000円からと比較的お手頃な価格となり、これから和食を極めていきたい若き美食家には頼もしい一軒となりそうだ。

「鮎の塩焼き」鮎は、京都は上桂川の天然鮎。生きたまま、炭火で焼きあげている。焼けにくい頭の方に火が近づくよう、炭を高くして焼いている。

「牡丹鱧のお椀」骨切りにして葛打ちし、湯引きにした鱧が花開いた牡丹のように見えるところからこの名がある。鱧は淡路産。

店は代替わりしたが、表の看板は、『霞町 すゑとみ』のまま。「大将にこれは残しておいて欲しいと言われたので」とは、山上さん。“すゑとみ”時代からの馴染みの客にも、思い出の看板と言えそうだ。

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この記事へのコメント

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匿名
焼きすっぽん、暑気払いに良いかも✨
2018/07/23 14:442

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