高学歴女子の遠吠え Vol.1

高学歴女子の遠吠え:「なんで、あのレベルの女と結婚する訳…?」ハイスペ男子の結婚式で僻む女

タンポポ系お嬢様に抱く、軽蔑と嫉妬


天女の羽衣を想起させるような、ワンピースのデザインを台無しにする安っぽいストールを纏った集団から、こちらに近付いてきたのは、幼馴染の高橋千春だった。

千春は初等科から一緒で、そのまま女子大に進学し疎遠になっていたが、同じ会社で働くようになり、何かと顔を合わせる機会が増えた。

と言っても千春はバックオフィス。キャリア志向の女ではない。

千春は『FOXEY』のワンピースと、アップにした髪に『ALEXANDRE DE PARIS』のバレッタを添えた、王道のお嬢様スタイル。しかし、どこか華やかさに欠ける。

タンポポのように、見れば可愛いという感情は湧くが、決してお花屋さんに並ぶことの無い花―。千春はそんな女だった。


「大学のお友達?」

なるべく刺々しくならないように注意を払いながら、羽衣軍団の方へ視線を向ける。

「うん。サークルが一緒だったグループなの。」

聞けば、東大男子とお嬢様女子大からなるテニスサークルのメンバーらしい。先程から、新郎側の友人達に声をかけてもらえるのを待っているのが手にとる様に分かり滑稽だった。

新郎側のグループに目をやると、一際目立つ美人がいた。三浦留美だ。こちらの視線に気付き近付いてくる。

留美も初等科からの幼馴染で、半数がエスカレーター式に女子大に進む中、一緒に受験勉強をした戦友でもある。慶應義塾大学に進学し、持ち前の美貌を活かし化粧品会社のPRをしている。

同じ慶應出身の広告代理店の男性と結婚したばかりの留美に、猫なで声で千春が話しかける。

「良いなあ、私も早く素敵な人と結婚したい♡留美のご主人のお友達で独身の方いらしたら紹介してもらえないかな…?」

笑顔で応える留美の隣で、夏希は軽蔑と同時に湧き上がった嫉妬心を処理しきれないでいた。

…私だって結婚したい。

そう強く願わなくても、自分のような女は自然に結婚できるものだと思っていた。

一流大学に入り、一流企業での仕事を頑張ってきた自分は、婚活なんかしなくても自然と素敵な王子様(ハイスペ男子)と結婚できるはず。

だからこれまで、「結婚したい」と素直に口にすることは決してなかった。

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東京カレンダー
2018/06/30 12:491
No Name
慎重に言葉を選びながら的確な指摘をしてくれる、賢くて美人な友人がいてくれて良かったね。夏希も、せっかく恵まれた環境で努力して立派にやれてる女性だから、これから素直になって幸せになれると良いな。
2018/06/28 05:4799+返信8件
No Name
可愛く、明るくにこにこ笑ってる女性がモテて当然ですよね…
私も夏希ほどハイスペじゃないけど、仕事ばかりで周りに怖いと言われているうちに、アラフォー独身突入…
結婚したい、ってもう今さら言えない。
2018/06/28 05:5499+返信21件
もっと見る ( 314 件 )

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