天現寺ウォーズ Vol.12

慶應幼稚舎の合格を手放した、セレブ妻の意外過ぎる決断。そして運命の歯車が狂いだす・・・

東京の勝ち組女である“港区妻”には階級がある。

頂点に君臨するネイティブセレブ港区妻たちの闘い、それは慶應幼稚舎受験である。地方出身の桜井あかりも、ひょんなことから幼稚舎受験に挑むことに。しかしそこには、数々の試練が待っていた。

旬の成長を妬んだ幼稚園のママ友から中傷を受けるも、玲奈と百合と話し、自分を取り戻したあかり

受験本番を数日後に控え、玲奈の娘莉奈が、幼稚舎試験を受けられなかったことを知ったあかりは、玲奈の気持ちを考え、涙を流す。

旬は無事試験当日を迎えるが、結果は補欠。その順番が回ってくることはないだろうと、あかりは打ちのめされる。


「61番。男子1次抽選通過者は以上です」

その言葉を聞き、あかりは静かに目を瞑る。

12か月に及んだ闘いが、ようやく幕を閉じた。最後の望みをかけたお茶の水女子大学附属小学校は、本試験を受けることさえかなわなかったのである。

「1次抽選合格者はこのまま着席していてください。通過されなかった方は、ご退出ください」

アナウンスを合図に、講堂に溢れるほどいた保護者の5分の4が、無言のまま退席する。座ったままの保護者、すなわち2次の受験資格を得た人たちは、声に出さないものの、頬が紅潮していた。

スクリーンの抽選結果を見て、旬の番号がないことをもう一度確認してから席を立つ。

出口に向かうとき、ここにいるはずのない顔を見た気がして、あかりは思わず会場を見渡した。

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