新婚クライシス Vol.15

夫婦は結局“合わせ鏡”。離婚寸前まで崩壊した夫婦を救った、ある歴史的モテ男の名言

―大好きな吾郎くんが、私と結婚してくれたー

数々の苦難の末に、結婚願望のない男・吾郎との結婚に辿りついた英里。

結婚はゴールでないことなど、百も承知。

しかし、そんな二人を待ち受けていたのは、予想を上回る過酷な現実であった。

愛し合っていたはずの夫婦は、どのようにすれ違い、溝ができてしまったのか。

男女の価値観のズレ、見解の相違、そして、家庭外での誘惑...。

二人は“新婚クライシス”に陥り夫婦仲はギクシャクしたままついに別居してしまう。そして距離を置いた夫婦は互いに少しずつ思いを改め再会を果たした


「吾郎くん?!」

英里が駆け足でリビングのドアを開けると、そこには吾郎が澄まし顔でソファに座っていた。

「お、おかえり...」

「...おぅ」

横目でチラッと振り返った吾郎の顔を見た瞬間、英里は怒涛に押し寄せてくる感情で胸がいっぱいになる。

これまで何度も平行線の言い争いを繰り返し、本気で離婚まで考えていた。にも関わらず、英里の全身に瞬時に広がったのは、圧倒的な安心感だったのだ。

単に吾郎が戻ってきたというだけで、夫婦間の問題が解決したわけでもない。

しかし、平然を装いながらも切なげな色を浮かべる吾郎の目を見ると、これまでの不満やわだかまりが一気に溶けていくような、不思議な感覚があった。

“夫婦は合わせ鏡”

なんて言葉を聞いたことがあるが、今の自分も、吾郎と同じような顔をしているだろうか。

―英里ちゃんは結局、あの旦那さんじゃないとダメだよー

きんちゃんが言い放った言葉の意味も、今さらながらに心に沁みた。

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