新婚クライシス Vol.1

新婚クライシス:独身時代と、何も変わらぬ夫婦生活。“結婚願望のない男”を攻略した女の誤算

―大好きな吾郎くんが、私と結婚してくれたー

数々の苦難の末に、結婚願望のない男・吾郎との結婚に辿りついた英里。

結婚はゴールでないことなど、百も承知。

しかし、そんな二人を待ち受けていたのは、予想を上回る過酷な現実であった。

愛し合っていたはずの夫婦は、どのようにすれ違い、溝ができてしまったのか。

男女の価値観のズレ、見解の相違、そして、家庭外での誘惑...。

“新婚クライシス”を、二人は乗りこえることができるのか?


―結婚も、意外に悪くないな。

英里の作った朝食をとりながら、吾郎はしばしば、これまで結婚に否定的だったことを反省する。

出汁の効いた味噌汁と玉子焼きに、炊き立ての白飯、そして、干物なんかの一品おかず。

「朝は残り物とか、簡単なモノばかりだけど...」

英里は照れ笑いで謙遜するが、一般職とはいえ総合商社に勤めながら、こうして朝食を用意してくれるのは感心する。

旅館の朝食のようだと言えば褒めすぎだろうが、吾郎は毎朝健康的な食事が出されることに細やかな幸せを感じ、妻に深く感謝していた。

―まぁ、この俺が結婚を決めたんだから、当然といえば当然か...。

吾郎好みのタヌキ顔の英里は、相変わらず毎日可愛らしい笑顔を浮かべ、幸せそうである。何よりも、彼女は結婚後も吾郎の考えを尊重してくれる、一番の理解者であった。

その辺にたむろしている、単に結婚目当てのOLたちとは月とスッポンほどの差があるだろう。

“家庭”という安心感・幸せの意味を、行動をもって吾郎に教えてくれた英里。

妻への愛が日々深まっていくのを、吾郎はひしひしと実感せずにはいられなかった。

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