青田買いのスゝメ Vol.12

「この俺がクビ?」出世のためには手段を選ばない男がはまった、落とし穴

結婚に適した男は、30歳までに刈り取られる。

電車で見かけた素敵な男は大抵、左手に指輪がついている。

会社内を見渡しても、将来有望な男は30歳までに結婚している。

そんな現実に気づいたのが、大手不動産会社勤務の奈々子・28歳。

同世代にはもう、結婚向きの男は残っていない。ならば・・・。

そうして「青田買い」に目覚めた奈々子は、幸せを掴むことができるのか・・・?

田中との間に、特別な信頼関係が芽生え始めた奈々子。奈々子に仕事でも幸運が訪れる・・・?


「岡田さん、君に新ソフト開発のプロジェクトを任せることにする」

奈々子は、自分の耳を疑った。部長は一体何を言っているのだろうか。

そのプロジェクトは、今でも惨めな過去が蘇る苦い思い出だ。中村に横取りされたはずだが、今さらどういう風の吹き回しだろうか。

奈々子は、自分のプロジェクト抜擢の理由が全く分からず小首を傾げる。

部長は、淡々とプロジェクトの引き継ぎや今後の方針について話しているが、奈々子は、なぜ中村が外されたのか、自分が担当することになったのかが気になって仕方ない。

結局、部長は経緯を話すことなく、「岡田さんに期待しているから。よろしく頼んだよ」とだけ残して去って行った。

会議室に取り残された奈々子は、断片的な情報を組み合わせて何が起きたのかを想像してみる。

そもそも、本当は奈々子がデータを作成した事実を知っているのは、奈々子と田中だけのはずだ。

−まさか、田中が告発した?

そんな疑念が奈々子の脳裏をかすめる。

正義感の強い田中のことだ。絶対にそんなことしないとも言い切れない。怒りを消化しきれず、真実を言ってしまったのだろうか。

もしそうだとしたら、奈々子も、田中も、中村からどんな仕返しをされるか分からない。

奈々子は背筋をゾクッとさせながら、田中に緊急招集のLINEを送った。

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