エリート亮介の嫁探し Vol.14

「結婚を前提にやり直して欲しい。」エリート男の告白に、“魔性”と呼ばれた女が語った衝撃の事実

エリートとはフランス語のéliteが由来で、「選び抜かれた人」という意味だ。

東京大学出身、その後大学院を経て世界的IT企業のアメリカ本社への転職が決まっている亮介は、まさに世に言う”エリート”。

ビザ取得のため、日本に一時帰国している半年の間に、亮介は日本での婚活を決意する。

やり直そうと思っていた元カノの里緒の噂に一時は振り回されるものの、大事なのは今の自分の気持ちだと気がつき、里緒に思いを伝えようと決心する。

しかし、亮介が思いを伝える前に、里緒が口火を切った


里緒の思い


「不倫の噂、本当なの。」

私がそう言ったとき、亮介はとても驚いていた。

彼に昔の話をされた時、何で今さら2年以上も前の事を…と少し腹立たしく感じた。けれどそれは、私自身が過去と向き合えていなかったから、聞かれたくなかったのだ。でも、いつまでも過去から逃げてばかりはいられない。

亮介はすぐに穏やかな、優しい表情に戻り、こう言った。

「そっか…。でも、過去は関係ないって気がついたし、里緒が考え無しに、人や自分を傷つけるとは思わない。話したくなければ、言わなくて良いんだ。」

「うん、ありがとう。でも私が…亮介に聞いて欲しいの。」

そうして私は亮介に、なるべく思い出さないようにしていた過去の話を始めた。

亮介と別れた後、私はしばらく彼のことを引きずっていた。考えることから逃れるように、以前にもまして仕事に力を注ぐうち、部署異動することになった。

それまでは、営業兼事務だったのだが、専務の藤堂から抜擢され、専務直属の営業戦略部という、主にマーケット調査や数値目標の設定を行う部署に移った。

その会社では花形部署の一つで、営業戦略部は出世コースとされていた。

ー仕事が認められたんだ。

昔から誤解されることが多かった私は、人間関係を築くのが少し下手だった。

だから、成果を出せば認めてもらえるのではないかと、ずっと必死に仕事に取り組んで来た。その結果を認められたようで、心底嬉しく感じたのだ。

ーこれからはもっと頑張ろう。藤堂さんの期待に応えられるように。

しかし、そんな私を面白く思わない人達がいたようだ。小さな嫌がらせが徐々に目立つようになって来た。

ー大丈夫、気にしない。見てくれている人がちゃんといる。

そう思って気にも留めていなかったが、それが逆に気に入らなかったのだろう。さらに嫌がらせや身に覚えの無い噂は続いた。

段々と周りが敵ばかりに思えて、仕事上彼らに協力を仰がなければいけないときも、思うようにいかない。

気にしないと思っていても、やはり精神的ダメージが大きくなった。それを見かねた藤堂が、「相談に乗ってやる」と、食事に誘ってくれるようになった。

しかし、それが間違いの始まりだった。

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