東京シンデレラ Vol.8

東京シンデレラ:東京で生きていく女が、バーキンよりも手に入れるべきもの

私たちは、東京にいる限り夢を見ている。

貧しい少女にガラスの靴を差し出す王子様が現れたように、いつかは幸せになれると。

だが必ず、自分が何者でもないと気づかされる時が来る。

神戸から上京し、港区女子へと変貌を遂げる真理亜と、その生き様を見つめる彩乃。

彼女たちが描く理想像は、現実なのか、それとも幻なのか...

真理亜に嫉妬しながらも、東京でもがきながら生きる彩乃。しかし真理亜がアメリカへ旅立ち徐々に何か気がつき始めた

その一方で、真理亜が見つめてきた東京とは・・?


初めて東京に来た時に感じたあの高揚感を、私は今でも覚えている。

神戸から上京してきた初日、こんなにも楽しくて刺激的な街があることに感動し、そして今まで知らなかった自分を悔いた。

でもいつの間にか、日々その感覚は失われ、そして自分自身も見失っていた。




「東京に行くなら、真理亜に紹介したい人がいるよ。彼と繋がっておけば、“間違いはない”から。」

当時まだ神戸に住んでいた私に、 音楽会社のCEOである松田さんを紹介してくれたのは、学生時代によく遊んでもらっていた、音楽協会の会長だった。

そんな松田さんに連れて行ってもらった、記念すべき東京での初ディナー『キャンティ』へ行った時、まだ22歳だった私はお店の価値も、歴史さえも知らなかった。

(後に元彼であるリュウジさんから、『キャンティ』の歴史についての本を渡され、勉強するようにと言われたが...)

ただ、その場で出会った彩乃に、非常に興味を持ったことだけは強く覚えている。

美人なのに、何故か自信のない目つき。そして何よりも、どこか寂しげで憂いに満ちた表情をしていた彼女が、とても印象的だった。

そして、後に彩乃から言われた一言が今でも胸に残っている。


「真理亜はいいよね。どうせ男の力でどこでも暮らしていけるんだから。」

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