東京シンデレラ Vol.7

東京シンデレラ:満たされぬ女が言う定型文「私、友達は可愛い子しかいないの」

私たちは、東京にいる限り夢を見ている。

貧しい少女にガラスの靴を差し出す王子様が現れたように、いつかは幸せになれると。

だが必ず、自分が何者でもないと気づかされる時が来る。

神戸から上京し、港区女子へと変貌を遂げる真理亜と、その生き様を見つめる彩乃。

彼女たちが描く理想像は、現実なのか、それとも幻なのか...

真理亜の育ちの良さに嫉妬しながらも、東京でもがきながら生きる彩乃。しかし急に真理亜がアメリカへ旅立ち、ホッとしていたのだが...


どうして私たちは、人のことが気になるのだろうか。

誰かが眩しくて、そして憎らしくてたまらなくなる。でもそれは、自分自身のコンプレックスを反映しているだけなのかもしれない。



真理亜があっさりとアメリカへ旅立ってから、1年が過ぎようとしていた。

東京で一生懸命働き、美容にもお金を注ぎ、それなりに遊んで手入れしてきた分、22歳の頃の自分よりも、26歳の今の方が見た目には自信があった。

そのせいなのか、連日のように食事会へ参加したお陰なのか、私は医者の健一郎という彼氏を捕まえた。

「私の彼氏、医者なの。」

最近女子会で彼のことを言うたびに、少し鼻高々となる。そして彼と付き合ったことで、女友達との関係性にも変化が出始めた。

「私の友達、可愛い子しかいないんだよね。」

気がつけば、周囲は皆可愛い子で固めていた。可愛くない子をそばに置くなんて、耐えられない。

彼女たちに埋もれることで、自分もその一員だという安心感が生まれる。SATCの原理で、中途半端に綺麗な女性たちでも、3人以上揃えば何となく美人に見えるのだ。


でも結局、こんなことを言っている間は決して幸せになれないと、後になって気がつくことになる。

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