サラリーマン会計士・隆一の迷い Vol.4

「私とのこと、どう考えているの?」草食系男との将来に、30歳目前に焦り出した女

難関資格の筆頭格である、公認会計士。

―高収入、堅実、転勤なし。

そんな好条件を難なくクリアする”勝ち組”であり、東京の婚活市場においても人気が高い職業の一つである。

しかし彼らにも、悩みはある。

大手監査法人勤務の隆一は、同期である健の突然の退社に動揺するが、尊敬する上司の冴木のもとで会社に留まることを決意する。

しかし、冴木のライバルである東城がパートナーへ出世、かつ健の転職したベンチャー企業が上場を果たし、隆一は再びキャリア選択に悩み始めた。

そんな隆一と交際しているユキの気持ちは…?


ユキの悩み


最近、隆一の様子がおかしい。

会話していても上の空だし、考え事ばかりしているように見える。

―他に好きな人ができたのかしら?

ユキの頭に、そんな不安がよぎった。

2人の付き合いは、もう2年以上経つ。そろそろ、結婚を考えてもいい時期だ。

隆一との交際の中で、会計士は激務だということがユキは分かっていた。結婚したら健康面で彼を支えていきたいと、密かに料理教室にも通い始めているが、2人の間にそんな話が出たことはない。

しかしそこまで考えて、ユキは思考をストップさせた。そもそも自分が原因ではなく、仕事のことで悩んでいる可能性のほうが高いのだ。

最近、隆一と仲の良かった健が、転職した会社で上場を果たしたと聞いた。その辺りから隆一は、悩んでいるような気がする。

2年も付き合っているのに、隆一は、弱みをなかなか見せてくれない。だからこそ彼を支える役割でいたいのだが、ユキはどうしていいか分からないでいた。

そんなことを考えていると、友人の依子からLINEが来た。1人ドタキャンが出たらしく、今日食事会に来て欲しいと言う。

―彼氏いるけど、いいかな。

ユキは念のため、依子に確認した。

―大丈夫。私のためだと思って協力して!

ユキは隆一への罪悪感にフタをして、食事会に参加することにした。隆一へのモヤモヤした気持ちを紛らわせたい、という気持ちもあったのだ。



お食事会は、終始和やかなムードだった。

お相手の商社マンは場を盛り上げてくれて、久しぶりに何も考えず、単純に楽しい時間が過ぎていった。隆一は仕事が忙しく、最近は話していてもどこか上の空なのだ。

ユキが一次会で帰ると、二次会に行った依子からLINEが来た。

―ユキのこと、気に入ってる人がいたよ。
―うそ。でも私、彼と結婚間近だしね。

結婚について、隆一と一度も話題にしたこともないのに、つい虚勢を張ってしまった。

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