難関資格の筆頭格である、公認会計士。
―高収入、堅実、転勤なし。
そんな好条件を難なくクリアする“勝ち組”であり、東京の婚活市場においても人気が高い職業の一つである。
しかし彼らにも、悩みはある。
士業として将来目指すゴールは独立開業?監査法人のパートナー?様々な選択肢がある中で、日々自身のキャリアに悩まされている。
慶應義塾大学商学部卒業後、大手町にある大手監査法人に入社した隆一、27歳。彼の公認会計士人生はいかに・・・?
ー公認会計士 北村隆一
23歳のとき、大手町にある最大手監査法人に入社した時にもらった名刺。その肩書に、僕はほくそ笑んだ。
大学2年生のときから、丸3年間。大学生らしく日吉キャンパスで友人たちと馬鹿話に興じつつ、その頃からこっそり渋谷のTACに通っていた。在学中に、公認会計士の資格を取ろうと思っていたのだ。
―ただのサラリーマンなんて、馬鹿らしい。
当時19歳だった僕は、そう思っていた。これから何十年も働くのに、何の資格もなく企業の奴隷として働く人生なんて、考えられなかった。
就活していた友人たちは、パターン化された志望動機をこねくり回して商社とか広告代理店を受けまくっていたけれど(本当の志望動機なんてきっと、有名企業に行きたい、女にモテたい、くらいだろう)僕に言わせれば、その行為は考えなしにしか思えなかった。
公認会計士の資格があれば、独立して事務所を構えることができる。もしかしたら、急成長中のベンチャー企業のCFOとしてヘッドハンティングされて、上場時のキャピタルゲインでウハウハ・・・。なんてことも、あるかもしれない。
きっと、普通のサラリーマンでは考えられない人生が切り拓けるだろう。
どんな有名企業に入ったとしても、所詮は会社の一兵卒。トップに上り詰められるのなんて、何千分の、いや何万分の一の確率だ。大学生の頃の僕は、そんな風に考えていたのだ。
そして大学4年生で難なく試験に受かり、“30歳まではとりあえず組織で働こう”という思いで最大手監査法人に入社。
僕の人生は、順風満帆そのものだった。
しかし入社5年目、27歳のときに僕は“迷い”を感じ始めた。
この記事へのコメント
しかし食事会の女子、公認会計士知らないとか頭悪すぎるなあ、、
本人達は要るって言いますが。
会計士が安泰だと思って結婚した人は、20年後果たして。。