サラリーマン会計士・隆一の迷い Vol.3

「僕は、このままでいい」交際3年目の彼女との未来予想図を揺るがした、驚愕の知らせ

難関資格の筆頭格である、公認会計士。

―高収入、堅実、転勤なし。

そんな好条件を難なくクリアする”勝ち組”であり、東京の婚活市場においても人気が高い職業の一つである。

しかし彼らにも、悩みはある。

大手監査法人勤務の隆一は、同期である健の突然の退社に動揺するが、尊敬する上司の冴木のもとで会社に留まることを決意する。

しかし、冴木のライバルである東城がパートナーへ出世し、隆一は再びキャリア選択に悩み始めた。


―なんで東城さんがパートナーに?
―東城さんが冴木さんの上司になるということは、冴木さんはどうなるんだ?

東城さんのパートナー昇格を受けて、僕の頭は混乱していた。

「隆一くん」

そんなとき、東城さんが僕に声をかけてきた。色白ヒョロ眼鏡の東城さんは、いかにも神経質そうな感じで、兄貴肌の冴木さんとは正反対のタイプだ。

「君にも僕の仕事を手伝ってもらいたいから、これから頼むよ」
「はい…。よろしくお願いします」

返事はしたものの気が重い。

既に東城さんには、複数のブレーンともいわれる忠実な部下が何人かいる。僕が新たに東城派に加わっても、外様のような扱いだろう。

僕は、東城さんが大嫌いだった。

新人のころ、クライアントの前で何度も怒鳴り散らされ、散々嫌な思いをした。彼に協力するくらいなら、今すぐにでも辞めたい気分だった。

僕は、冴木さんにパートナーになって欲しかったのだ。

でも冴木さんがパートナーになるには、これからも東城さんが妨害するに違いない。彼はそんな人間だ。同じ部署にいる限り、冴木さんと東城さんの関係が変わることはないだろう。

頭の中を整理できないまま、ずっと同じことを考え続けている。そんなとき携帯の着信が鳴った。

「隆一、今晩予定空いているか?飯でもどうだ?」

冴木さんからだった。

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