2011.02.21
未来の老舗候補! いま、期待の鮨屋 Vol.1鮨 来主
連鎖的に、誰かを連れていきたくなる店
※こちらの店舗は現在、移転しております。詳しくは店舗情報をご確認ください。
西麻布交差点裏の6・5坪の店。新店とはいえどんな気難しい職人がお客を待っているのか、と思いきや。暖簾をくぐればいい意味で拍子抜けする。わずか6席のL字カウンター。「つい買い過ぎちゃった」土ものを中心とした器、修業先の大将から祝いにと贈られた田中正秋氏のシルクスクリーン、解いて額装したのは叔母の帯……。そんな「好きなもの」に囲まれ威勢のいい声でお客を迎えるのが、店主・荒川真也氏だ。
店の名には「主役はお客さま」の意を込めた。素材を活かした江戸前鮨を、くつろげる空間で食べて欲しい。面倒なことなんか、いらないのだ。路地裏という場所柄、通りすがりのお客が入ることは、まずない。開業は昨年9月末。西麻布にあった前勤務先の常連客が訪れ、その連れがまた誰かを伴い、数珠つなぎでお客は増えた。「選択に間違いは無かった」と荒川氏。
赤酢と粟国の塩のみを使った硬めのシャリは、ネタを選ばない柔和な佇まい。下戸でも素直に楽しめる、咽の渇かない鮨だ。
「土地柄、つまみには目先を変えたものもお出ししますが、基本は正統を心がけています」
地に足つけて、続けるだけ。夜遊びの街に、おっとりと歴史を刻もうとする店だ。
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