25時の表参道 Vol.13

静香、37歳で初めて知る恋心。静寂に包まれた25時の表参道を、今日も歩いてゆく

25時の表参道。

東京のエネルギーが集結する港区にあって、そこだけ取り残さてしまったかのような静寂が流れている。

赤坂にある広告代理店に勤めるフミヤ・美月・亮は仲の良い同期3人組。しかし、フミヤと亮が37歳の既婚女性・静香に恋に落ち、3人の運命が狂い出す。

フミヤと静香、2人の関係を知った局長は激怒し、静香に子会社への出向を命じる。しかし静香は退社し、行方をくらました。

その3年後、フミヤは独立し、心休まる恋人と充実した日々を送っていた。しかしそんな矢先、表参道で静香と遭遇。謎のベールに包まれた静香の本心がついに明かされる。


静香「男たちの傷ついた顔を見るのが、何よりの快感」


南青山の実家近くにある、ぽってりとしたピンク色の梅の花。

どこよりも早く春の訪れを教えてくれるそれは、私の密かな楽しみだ。

3年前、当時付き合っていたフミヤ君にこの話をすると、これ以上にないくらいの優しい顔でこう言った。

「今年は僕も一緒に見れるかな」

その言葉がたまらないほど嬉しくて、気持ちの行き場を失った。

―いつの間にこんなに好きになっていたのだろう。

それまでの37年間、私の隣には常に男がいた。彼が一人だけの時もあったが、同時並行がほとんどだ。

しかしどんなに時を共にしようと、最後はいつも私からあっさり別れを告げた。

男たちの傷ついた顔を見るが、何よりの快感だから。

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