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25時の表参道 Vol.13

静香、37歳で初めて知る恋心。静寂に包まれた25時の表参道を、今日も歩いてゆく

25時の表参道。

東京のエネルギーが集結する港区にあって、そこだけ取り残さてしまったかのような静寂が流れている。

赤坂にある広告代理店に勤めるフミヤ・美月・亮は仲の良い同期3人組。しかし、フミヤと亮が37歳の既婚女性・静香に恋に落ち、3人の運命が狂い出す。

フミヤと静香、2人の関係を知った局長は激怒し、静香に子会社への出向を命じる。しかし静香は退社し、行方をくらました。

その3年後、フミヤは独立し、心休まる恋人と充実した日々を送っていた。しかしそんな矢先、表参道で静香と遭遇。謎のベールに包まれた静香の本心がついに明かされる。


静香「男たちの傷ついた顔を見るのが、何よりの快感」


南青山の実家近くにある、ぽってりとしたピンク色の梅の花。

どこよりも早く春の訪れを教えてくれるそれは、私の密かな楽しみだ。

3年前、当時付き合っていたフミヤ君にこの話をすると、これ以上にないくらいの優しい顔でこう言った。

「今年は僕も一緒に見れるかな」

その......


この記事へのコメント

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在宅マン
この頃の読み物好きだったな…
変にリアルに寄せてないところとか、
登場人物がさりげなく別の話に再登場してその後を匂わせてるところとか、
最近のよりずっと、読むのが楽しかった気がします。
2020/05/07 19:2945
No Name
静香さんって悪女なんだろうけど何か憎めないですね😅むしろ美月の方が私は嫌でした。
2021/05/22 11:111

25時の表参道

25時の表参道。

港区でありながら、まるでそこだけ取り残されたかのような、深い静寂が流れている。

ブランドショップや飲食店が立ち並ぶ表参道通り、青山学院大学がある青山通り、そして西麻布へと続く骨董通り。

昼間は多くの人で賑わうが、深夜になると、隣の六本木とはまるで違った景色を見せる。

広告代理店勤務のコピーライター・フミヤ(25)は、深夜の表参道で、一体何を思う?

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