25時の表参道 Vol.11

25時の表参道:あまりにも代償が大きかった、禁じられた恋

25時の表参道。

東京のエネルギーが集結する港区にあって、そこだけ取り残さてしまったかのような静寂が流れている。

昼間は多くの人で賑わうが、深夜になると、隣の六本木とはまるで違った景色を見せる。

赤坂にある広告代理店に勤めるフミヤ・美月・亮。しかし、フミヤと亮が37歳の既婚女性・静香に恋に落ち、3人の運命が狂い出す。

フミヤと静香の仲が深まる一方で、美月と亮は2人を陥れようとする。美月は静香の旦那に「奥さんが私の彼氏と付き合っている」と明かし、亮はフミヤと静香のいるバーに上司を連れて行き、2人の仲をばらそうとする。窮地に立たされた2人は…。


静香さんとの幸福な夜は、一瞬だった。

「藤堂君?」

そう言いながら局長が近づいたとき、静香さんはいつものような柔らかな笑みを浮かべていた。

でも、僕は気付いていた。

その後、局長たちと一緒に飲んでいた静香さんは、ほとんどウィスキーを口にしていなかった。心なしか、顔も青ざめている気がする。旦那に会ったときは平然としていたのに、今回はまるきり様子が違う。


―こんなに美味しいものってないわ。


琥珀色の液体が、静香さんの白く細い喉にするりと流れ込んでいく。その様子を見るのがたまらなく好きだったのに、ついに見ることができなかった。

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