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軽井沢の冬 Vol.13

軽井沢の白銀世界のように、清濁併せ呑んでこそ、はじめて見える景色がある。

仕事でも恋愛でも、常に勝ち負けを意識し戦闘態勢を崩せない東京人たち。

人生の冬を迎え、心が渇いてしまったら、東京から1時間のオアシス・軽井沢で己を見つめ直すと良いかもしれない。

数々の東京人の心の回復をアシストしてきた、軽井沢で暮らす美希、35歳
しかし信頼していた夫・誠司の浮気が発覚し、美希自身にも人生の冬が訪れる。

そんな時、10年ぶりに元カレ・雄一に再会し心惑わされる美希。しかし、ある夜ふいにテレビから流れてきた懐メロが、夫婦の心を再び結びつけるのだった。

2人の結末は…?


良いとこ取りの人生では、見ることができない景色がある。


朝、目を覚ました美希は、窓の外に目をやった。

目の前に広がるのは、まさに白銀の世界。

夜半過ぎからしんしんと降り出した雪が降り積もり、裸木だらけとなってしまった真冬の別荘地を、雪景色に変えていた。

並んで建つ瀟洒な邸宅、そびえる白樺、モミの木。あたり一面に広がる絵本......


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軽井沢の冬

仕事でも恋愛でも、常に勝ち負けを意識し戦闘態勢を崩せない東京人たち。

人生の冬を迎え、東京砂漠で心が乾いてしまったら、東京から1時間のオアシス・軽井沢に癒しを求め、己を見つめ直すと良いかもしれない。

軽井沢で、傷心の東京人たちを適切な回復スポットへ案内してくれる軽井沢レディ・美希、35歳。

様々な理由で彼女のもとを訪れる東京人たちを、温かいスープを給するように癒す存在。

彼女が見てきた東京人たちと、軽井沢で共に過ごす様子を描いていく。

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