軽井沢の冬 Vol.5

軽井沢の冬:夫婦にもお互い別の顔がある?穏やかな日常に忍び寄る、非日常の誘惑。

仕事でも恋愛でも、常に勝ち負けを意識し戦闘態勢を崩せない東京人たち。

人生の冬を迎え、心が渇いてしまったら、東京から1時間のオアシス・軽井沢で己を見つめ直すと良いかもしれない。

軽井沢で、東京人たちを出迎えもてなしてくれる女性がいる。美希、35歳。

これまで、結婚を迷う後輩・加奈、「決められない病」の男・正輝、化粧品プロデュースを目指すが美希の元を訪れて心の平穏を取り戻した。

しかし美希自身にも気がかりなことがあるという。

穏やかな日常こそが、幸せ?


11月、軽井沢は黄金色に輝く。

色づいた木の葉が舞う南ヶ丘別荘地を抜け、美希は白いメルセデスを軽井沢駅へと走らせた。今日は月に1度、表参道の美容室に行く日。

軽井沢は美しい町だ。

「美しい景色を見ながら暮らせば美しい人生になる」そう思って、美希は3年前に東京から地元......


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