軽井沢の冬 Vol.3

軽井沢の冬:「決められない病」の患者?結婚したいのに恋愛できない男たち

仕事でも恋愛でも、常に勝ち負けを意識し戦闘態勢を崩せない東京人たち。

人生の冬を迎え、心が渇いてしまったら、東京から1時間のオアシス・軽井沢で己を見つめ直すと良いかもしれない。

軽井沢で、東京砂漠で迷子になってしまった東京人たちを出迎えもてなしてくれる女性がいる。美希、35歳。

軽井沢レディ美希の暮らしと、彼女の元を訪れる東京人たちが美希とともに軽井沢で過ごし、心の平穏を取り戻す様子を紹介していく。

前回の電機メーカー男との結婚に迷う後輩・加奈に続き、今回は美希の夫・誠司の大学の仲間たちがゴルフをしに軽井沢に遊びにやってきて...?

「決められない病」を患う男、急増中?!


近頃、主に東京都心部で「決められない病」を患う男性が急増しているらしい。

「決められない病」は、そろそろ結婚したい、結婚した方が良いと焦りを感じ始めたアラフォー男性に多く見られ、ほとんどの場合が次のような負のスパイラルにはまってしまって抜け出せなくなっている。

①結婚したい→②次の彼女は結婚前提→③結婚前提だから慎重に→④慎重に選ぶと決められない→⑤恋愛できない→⑥結婚できない

このスパイラルは永遠に続き、症状が長引けば長引くほど、妥協できない、という気持ちも加わってより症状が悪化するという。

六本木の外資コンサルで働く正輝・37歳も、「決められない病」を患って早5年。つまり、5年間まともに恋愛していない。重症を自覚している。

そんな正輝が6つ年下の茜と2人で会うようになって2か月が経った。

日本女子大卒、法律事務所で弁護士秘書をしている茜とは、会社の後輩がセッティングした食事会で出会った。

よく笑う明るい子だな、というのが茜の第一印象だ。男女3人ずつの食事会だったが、初見では茜の会社同期、切れ長な瞳と鼻筋の通った北川景子似の美人・真奈美狙いだった。茜は丸顔童顔で正輝の好みではない。スタイルも真奈美みたいに華奢なほうが好きだ。

ただ、食事会でちょっとした事件が起きた。

その日、オフホワイトのVネックニットを着ていた茜に、ウェイターが手元を狂わせて赤ワインを思いっきりこぼしたのだ。

「あっ...」

驚いた茜がみるみる赤く染まる自分の洋服を確認して―怒るか?泣くか?不機嫌になるか?―皆が見守る中、茜は一瞬困った顔をしたものの「大丈夫。気にしないで。これ、実はユニクロだし!」とすぐに笑って場を取り繕ったのだった。

良い子だな、と思った。質の良さそうなニットはユニクロにはとても見えない。

店を出た後、汚れた洋服のまま電車で帰るという茜がかわいそうになり思わず

「俺の家ここからすぐなんだけど、何か着られそうな服貸そうか?洗濯してもらってもいいし。」

と声をかけていた。まあ、下心が全くないと言えば嘘になるが。

茜は最初「大丈夫」と断ったが、他4人が先にタクシーで2軒目に移動すると、正輝の腕をとって「やっぱり甘えてもいいかな?」と言ってきたのだった。

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