食通に長年愛される、恵比寿の名店 Vol.1

激戦区・恵比寿で長寿は名店の証!ファンが集う本当に旨い店4軒

競争激しい食の激戦区・恵比寿。長く続く老舗であるということは、もはやそれだけで名店の証明だ。

一見厳しいルールがあったり、過去の常連客として昭和のスターや大御所がいたり、他のお店にはないストーリーともに長寿の秘訣に迫った。

まくら。秘伝の配合のモツを丁寧に叩き、ニラを巻きつけた創業以来の名物串。歯を入れると内部に閉じ込められた旨みが口のなかに弾ける。創業から継ぎ足し続ける甘みを抑えた自慢のタレとよく絡む

ただ実直に、丁寧に。恵比寿に燦然と輝く古酒場
『まくら とよかつ』

恵比寿

縄のれん越しにひょいと店を覗いてみると、立ち上る煙のなかで、黙々と串を焼く店主の姿。見るからに頑固そうなその姿に、少し尻込みする。

勇気を出して席に着けば、壁のメニューには「串の追加注文お断り」の文字。通ぶって「塩で!」なんて注文すれば、店主の眉間にシワが寄る。ここはやっぱり初心者お断りの難関店なのか。もちろん、誤解だ。追加お断りは新規客を待たせないための配慮。

串はかしら、たん、あぶらなど。先代が勝沼出身のため、国産ワインもメニューに並ぶ

タレを勧めるのは、創業以来継ぎ足す味に自信があるから。眉間のシワは、たぶん、煙が目に染みたのだ。店主の長島太市氏、話してみればいたって気さく。

旨いモツを手頃に楽しんでほしい。そんな思いで毎朝芝浦に通い、その日仕込みの売り切れ終いを続けているのだ。長年愛される店には、やはり相応の理由があるものだ。

焼きあがったものから1本ずつ出してくれるスタイルも健在

年季の入ったメニュー

店と同じ年のマスターと女将さんがふたりで切り盛り

創業は昭和21年。平成14年に現在のビルになったが、カウンターもレイアウトも、創業当時のまま

※こちらの店舗は、現在閉店しております。

ボルシチ。厚めにカットされたレモンを潰し、酸味を調節しながら自分好みの味に。注ぎ足されたスープは得も言われぬ奥深きコクがあるが、後口はさっぱり。特製の黒パと相性抜群

昭和のスターに愛され、今なお受け継がれし洋食
『キッチンボン』

恵比寿

もはや、この店に関しては語り尽くされ、説明不要といってもいい。美空ひばりが二十歳のころから通ったといい、石原裕次郎は入院中にお抱えの仕立て屋にこの店の料理を病院へと運ばせたという。昭和のスターや大御所が愛し、そして現在も数多くの著名人が足を運び続ける洋食店、それが『キッチン ボン』である。

そんな店の名物といえば、ボルシチだろう。創業者である先代が旧帝政ロシアの皇室料理長から直々に学んだ味は、昭和30年の創業以来、注ぎ足されてきた歴史的な一品だ。

ビーツなどの野菜がとろとろになるまで一緒くたに煮込まれ、日本人の舌に合うようにとサワークリームではなく生クリームとレモンがスープに浮かぶのがボン流。不朽の名作を堪能あれ。

デミグラスなど3種のソースを合わせて作る絶品ハヤシライス

ビーフカツ。A5ランクの山形牛のイチボ肉を使用

店内には長嶋茂雄氏のサインが飾られている

一枚板のカウンターも老舗洋食店らしい雰囲気

レトロな看板が目印

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