商社マン優作 Vol.10

商社マン優作:元カノの一言がきっかけで、ダークホース・優作、ついに目覚める?

ー総合商社に入れば、人生、一生安泰で勝ち組。ー

東京において、商社マンというのは一見、社会的ステータスの高い、万能なカードに見える。

しかし、果たしてそれは事実なのか?

商社という舞台には、外部からは計り知れない様々な人間模様があり、出世レースに関する嫉妬と憎悪に満ちた縦社会のプライド合戦も繰り広げられている。

早稲田大学商学部卒業後、大手総合商社に入社した優作。彼の商社マン人生は、薔薇色なのか、それとも?

赴任先でバナナ・プリンスになったが、帰国と同時に新たな事業部に飛ばされた31歳突然の同期のヘッドハンティング話に焦りながら、家を購入。しかし同期・賢治との給料差に愕然とした34歳だった。


同期の出世に何を感じますか?


賢治の家に行った帰り道、妻の由美とは何も話さなかった。二人の周りだけ、都会の喧騒からポツンと離れたような静けさが漂っていた。そんな二人の間にあるベビーカーからは、スヤスヤと可愛い寝息が聞こえていた。

「ただいまぁ」

家のドアを開けると、自分の城だと信じて誇りを持っていた二子玉川の家が急に小さく見える。由美は何も言わなかったが、きっと同じことを思っていたのだろう。

「さぁて、これからどうしようかな」

賢治との給料差を見せつけられた後、湧き上がってきた思いは“悔しさ”だった。自分でも嫉妬とはまた違う感情に驚いたが、とにかく悔しかった。

自分も、賢治のようになれる可能性は十分にあった。

「いつ、チャンスを棒に振ったのかな」

いや、チャンスなんてやって来たことがあったのだろうか...どうやら商社のぬるま湯に浸かっている間に、チャンスを機敏に捉える洞察力も鈍っていたようだ。

「昔は俺の方が上だったのに...」

純也はヘッドハンティングされ、同期の賢治はおそらく優作よりも給料が高い。気がつけばいつも先を越されているのは紛れもない事実だ。もう、不平不満を言っている場合ではない。何か行動を起こさなければ。今までにない不思議な感情に包まれた。

二子玉川のマンションの部屋には、下の公園で遊んでいる子供達の声がこだましていた。

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