SPECIAL TALK Vol.12

~人間の本質は常にチャレンジすることである~

鈴屋に新卒で入社。1億円規模の商業施設立ち上げに携わる

金丸:大学卒業後、ファッション専門店でもある鈴屋に入社されますが、なぜ鈴屋だったのですか?

増田:当時の鈴屋は、いまでいうユニクロのような先進的な企業で、業態は異なるけれど、ファッションで世の中を変えるという野心に溢れた会社でした。その姿勢に憧れて入社試験を受けたのですが、実は一度落とされたんですよ。

金丸:それは意外ですね。理由は何だったのですか?

増田:当時はロン毛だったし、レスリングをやっていたから、ガタイもよくて。学生運動が盛んな時代だったので、「あいつは危険かもしれない」と思われたんじゃないかと。

金丸:しかもバンドもやっていて、ファッションも学んでいたら、見た目はかなり怪しいかもしれないですね(笑)。そこから、どうやって入社に至ったのですか?

増田:人事部長が「あいつはイノベーションに向いているんじゃないか」と拾ってくれました。当時、鈴屋は服を仕入れて売るという業態から、ベルコモンズのようなショッピングセンターを展開する業態にシフトチェンジするところだったので、これからは同質の人間だけじゃなくて、革新的な人間が必要だと。それでお声掛けいただき、入社できました。そういう経緯もあって、同期がみな服を販売する部署に配属されたのですが、私だけ事業開発部に配属されました。

金丸:同期は何名ぐらいいたのですか?

増田:70名です。

金丸:増田さんは存在感があるし、会社の中でもかなり目立っていたのでは?

増田:そうですね。内定者研修でも周りを仕切ってリーダーシップをとっていたし、その姿が印象に残ったのかもしれません。

金丸:鈴屋でのサラリーマン生活は約10年ですが、一番印象に残っていることはなんですか?

増田:やはり、ベルコモンズの開発ですね。特に入社2年目に携わった「軽井沢ベルコモンズ」は、自分の企画がそのまま形になったこともあり、とても思い入れの強い事業です。「新形態のリゾート型ショッピングセンター」という構想の、予算1億円以上のプロジェクトでした。オープン後も好調で、マスコミにも多く取り上げられました。このとき、店舗がオープンする興奮を大いに味わいました。

金丸:お話を聞いていると、誰かに言われて行動したのではなく、すべて自分で道を選んでこられたように思います。

増田:この間、ボクシングのメイウェザー選手が、いままでの人生を振り返り、何ひとつとして後悔や反省がないと言っていました。私もそれに近いものがあります。これまでの人生を振り返ると、あのときこうしていればよかった、と後悔したことがない。

金丸:これまでの経験がすべて、いまの仕事に繋がっていると?

増田:そうですね。音楽をやっていたから、アーティストが歌をつくる気持ちやステージに立つ気持ちがわかる。だからこそ音楽のビジネスができているし、ファッションの仕事をやっていたからライフスタイルのことがわかる。ベルコモンズの経験があったからこそ、T–SITEのコンセプトを作り上げることができたのだと思っています。私というピラミッドがあるとすれば、過去の経験のすべてがその底辺を広げるために必要だったと感じます。私がいまここにいられるのは、これらの経験のおかげです。

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