2015.09.21
SPECIAL TALK Vol.122020年のニューリーダーたちに告ぐ
いまや、この青と黄のTマークに触れない日はないといっても過言ではないだろう。そして、T会員はいまや5,500万人を数える。
1983年3月24日、大阪府枚方市に誕生したTSUTAYAの1号店「蔦屋書店枚方店」は、30年のときを経て、1,500店舗以上を数えるまでになった。そして、いま原点回帰を体現した「蔦屋書店」や「蔦屋家電」を相次いでオープンさせ、新たなライフスタイルの提案を行っている。
30年間にわたり、人びとの生活を豊かにしてきたカルチュア・コンビニエンス・クラブの増田宗昭氏。その原点に迫り、次代のリーダーたちが生き抜くヒントを紐解く。
金丸:お忙しいなかありがとうございます。増田社長とは長年の付き合いですので、今日はあまりかしこまらずにざっくばらんに生い立ちや仕事の原点などをお話しいただきたいと思います。
増田:本日お招きいただきまして、ありがとうございます。こちらは素敵なお店ですね。
金丸:ここは私もよく利用している『La BOMBANCE』という和食店で、ユニークな料理が楽しめると評判の人気店です。オーナーの岡元さんはユーモアがあり、ゴルフやスキューバーをされるなど多彩な趣味をお持ちです。さて、私たちふたりの最大の共通点は、なんといっても大阪府枚方市生まれの起業家ということですよね。
増田:奇遇ですよね(笑)。そして枚方市には、TSUTAYAの礎となる『蔦屋書店』の記念すべき1号店もあります。
金丸:オープンしたのはいつですか?
増田:1983年です。2年後の1985年9月20日に会社を設立したので、今年で30周年になります。
金丸:まさに節目の年ですね。おめでとうございます。
音楽に傾倒した大学時代。挫折をきっかけにファッションの道へ
金丸:カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCC)は、音楽や家電、出版など、あらゆる文化を内包した事業を展開していますが、その原点が形成されたのは、いつ頃なのでしょうか?
増田:音楽とファッションに傾倒していた大学時代でしょうか。京都の同志社大学で「クリーブランドハイム」というバンドをやっていたんですが、大学や関西フォーク連盟のイベントでは、いつもトリを務める人気バンドでした。
金丸:楽器は何を担当していたのですか?
増田:ギターです。でも演奏は大したことなくて、他のバンドメンバーが抜群にうまかったですね。私はどちらかというと、企画や司会、選曲、ネーミング、衣装などを得意としていました。当時は新人発掘を目的としたオーディションが頻繁に開かれていて、私たちのバンドも何度か受けたことがあるんです。それで、あるオーディションの審査員に大人気だったフォークバンド、ジローズの杉田二郎さんがいらしたことがありました。ちょうど杉田さんはバンドを解散してひとりになっていたときで、オーディションの後、うちのバンドメンバーのめっちゃ男前に目をつけて、引き抜いてしまったんです。その後、ジローズの大ヒット曲「戦争を知らない子供たち」が生まれたのですが、杉田さんの横にいたのが、その引き抜かれた先輩です。
金丸:えっ、あの隣にいた細い人ですか? それは驚きました。それで、バンドはどうなったんですか?
増田:解散しましたよ。こうして音楽で挫折を味わったわけです。ひとりで司会業だけ続けるわけにもいかないし(笑)。
金丸:でも、増田さんの司会業というのは、意外に受けたかも(笑)。その後、洋裁学校に通っていた時期もあるようですが、これはどういう流れからですか?
増田:バンドで衣装全般を担当していたように、ファッションが得意だったんです。普段からジーンズをストーンウォッシュにして切り繋げたり、ジーンズを加工して鞄を作ったりしていました。仲間からの評判も良くて、自分にはファッションのセンスがあるのかもと思っていました。人にあげたら喜んでくれるし、漠然とですが、こんなビジネスができたらいいなと。それに、その頃付き合っている女性がいて、どうにか彼女を養わないといけない、っていう気持ちもあって、自分にどんな仕事が向いているのか、真剣に考えるようになりました。当時は役所で働く人も多かったのですが、性格上、役所は向いていないことはわかりきっていたから、自分に向いていて楽しいと思える仕事は何だろう、と考え抜きました。そうして辿り着いた答えが、クリエイティブな仕事ができるファッションの世界。でも基礎を知らないと応用が効かないので、音楽を辞めて、大学と並行して大阪の上田安子服飾学院(現・上田安子服飾専門学校)に入学しました。
金丸:なるほど。自分の得意な方向に進んだわけですね。
増田:服飾学院の毎日は、楽しかったですね。成績もすごく良かったから、先生が休んだときは代わりに教えていたくらいでした。「立体裁断はこうやるんだ!」って(笑)。そのとき「自分はファッションで食べていこう」と決めました。
金丸:音楽の道からファッションの道へ。しかし、デザイナーという道は選ばなかったのですね。
増田:ちょうど服飾学院と大学の卒業の時期が重なっていて、服飾のプロコースに進むか、それとも就職するかの二択を迫られました。ファッション界には三宅一生さんや高田賢三さんらが出てきた頃で、専門的に勉強をしてきていない自分が彼らのようにデザインをするのは無理がある、と考えました。一方で、ファッションをビジネスとしてやるのであれば、必ず勝機はあるはずと思い、就職することにしました。
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