東洋経済・東京鉄道事情 Vol.15

900円以上が過半数! 駅弁がコンビニ弁当より高い理由とは?

ちなみに京王百貨店や阪神百貨店の駅弁大会の成功を見て、後追いする駅弁大会もありますが、こういうところでは駅弁風に偽装した弁当が売られていることがあります。パッケージ、ネーミング、中味などすべてを駅弁風に仕立てた弁当です。

――堀内さんは列車に乗るときは駅弁を買うのですか?

もちろんです。私はコンビニ弁当は買いません。どこにでもあるような弁当じゃ面白くない。地元の名産品を買いたい、食べたいというのが率直な気持ちです。

――ユニークな試みで成功している駅弁はありますか。

たとえばいすみ鉄道。廃棄したら損するからといって、予約制にして売れる分しか作らない。駅弁で儲けようとせず、駅弁があることで自社の魅力を高めようという戦略です。逆に大井川鉄道は、従来は予約制にしていましたが、新しい社長が就任してからは、当日でも買えるようになりました。

幕の内弁当も面白い

普通の駅弁でも工夫しているところはありますよ。たとえば小淵沢駅の丸政がやっている「かつサンド」。出来立ての熱々のサンドイッチを食べてもらいたいということで、予約制にしている。出来立てなら豚肉が固くならないからということで。コンビニでそれをしようと思ったら、カウンターにフライヤーを置いて、調理員を雇って、揚がったとんかつを切って売らなきゃいけない。

神戸・淡路屋の「ひっぱりだこ飯」は蛸壺のような容器が人気で、台湾人の間で大人気だそうです。

容器にも工夫をこらした「ひっぱりだこ飯」

「ますのすし」で有名な富山の源は、最近「富山味づくし」というお弁当を出しました。幕の内弁当のようなもので、ますのすしも少しだけ入っている。こういう売り方もあるんだと思いました。その意味では幕の内弁当にも地域ごとの特性が出ています。幕の内弁当の食べ比べも面白いかもしれません。

より詳しくは、書籍でチェック!

『ビジネスのヒントは駅弁に詰まっている』双葉新書

著者
大坂 直樹 :東洋経済 記者

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