その名は、サエコ。 #東京悪女伝説 Vol.10

その名はサエコ:難攻不落のサエコに、忍び寄る魔の手。

役者は揃った。サエコを中心に、5人の女たちが繰り広げる攻防戦。 身近な女の、大富豪との熱愛発覚。 その時、女たちは何を思うのだろうか?サエコのサークル時代の同期で、現在地方局の女子アナをしている"アン”が、サエコ熱愛の噂を聞き、悪意剥き出しに、何かを企んでいたようだが・・・「私よりイイ男と結婚するなんて許せない。」心に潜んだ毒は女たちを狂わせて行く・・・。

前回:東京悪女伝説:"獲物”を見つけた男と女。野蛮な太陽が暴れだす・・・?!

ハムのようなメリハリのない足をした、地味OL・靖子のつぶやき


「最近、サエコちゃんのインスタ、なんか地味だなぁ」

サエコと同じ会社の先輩・靖子は、ランチタイム、PCのデスクトップの前で、スープ春雨をすすりながらつぶやいた。

春の日差しと共に、アウターは一枚、また一枚と剥がされ、洋服の素材は薄くなる。すなわち、女にとって、ごまかしのきかない季節の到来だ。

ハムのようなメリハリのない靖子の足を目の錯覚で引き締めてくれる120デニールの黒タイツは靖子の救世主だが、その相棒への別れもすぐそこまでやってきている。靖子は、最近、その別れに備えて、昼夜共に100kcal前後のカップスープの類ですませることで、無駄なあがきを続けている。

そんな地味OLの代表格のような靖子が「地味」と呟くサエコのインスタだが、覗いてみると、確かに、以前までの豪華絢爛マリーアントワネットのような生活の気配は息を潜めている気もしなくもない。

ここ最近は『アトリエ・ド・アイ』の食事の写真や、その3日後にアップされたのは、プレゼントされたと思き、青山フラワーマーケットの推定1,500円程度のピンクのチューリップのプチブーケ。記事には、意味深に「花言葉は、愛の芽生えだそう。笑︎」と一言。

花束の投稿は過去にもあったが、結婚式で花嫁が持つような立派なブーケや、ニコライバーグマンの10,000円以上のボックスフラワーなどが多かった。サエコは、1,500円のプチブーケを嬉々として載せる女ではないのだ。

「サエコちゃん・・・どうしたんだろう・・・?」

初めてできた後輩・サエコのブログや、インスタのチェックを毎日欠かさない靖子は、一方的ではあるものの、東京での姉御役を自負し、勝手にサエコの身の上を案じている。


いつもどおりの靖子の空気のよめない勘違いであれば良いが、今回ばかりは、靖子のこの洞察力は、あながち間違っていないのかもしれない。

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