※本記事は、2016年に公開された記事の再掲です。当時の空気感も含めて、お楽しみください。
サエコを語る女たち:登場人物
絶世の美女ではない。だけどなぜか噂が絶えない女"サエコ”。彼女にまつわる女たちの噂話。"サエコ”について語る女の口から、嫉妬と自己肯定が入り混じるねじれた感情が露呈していく・・・。果たして、”サエコ”は悪女なのか?誰が悪女かわからない、視点変えれば全員悪女な十人十色の女たちの主張とは。
前回まで、「顔は大して変わらない」サエコの同期"さとみ”、サークル時代の女性格付けで、No2を言い渡された"アン”、サエコの会社の5つ上の先輩・靖子”が、嫉妬をだだ漏れに、ねじれた感情を垣間見せた。
今回の女は・・・?
日本中の地味な女たちが狂喜乱舞のサエコ・ドリーム!
サエコパイセンの次のお相手の噂聞きましたか?!さすがですよねぇ。
前をも上回る玉の輿!やっぱり、これぞ・サエコ・ドリーム!
あーあ。この噂聞いたら、日本中の地味な女たちが「もしかしたら、私も・・・」なんて見当違いな夢を見ちゃうじゃないですか(笑)これが、桁違いの絶世の美女だったら、下手に夢を見なくて済むのに、サエコさんったら、ほんと罪な女ですよねぇ。
あ、自己紹介が遅れました。私は、サエコさんの後輩であり妹分である奈々です。サエコさんとは、会社では一番仲の良い先輩かもしれません。
私なんかの話は大して興味もないでしょうから、簡潔に自己紹介だけさせていただきますね。私は、東京杉並区生まれ、ワシントン育ちです。父親は、某商社の役員で、小学3年生までアメリカで過ごした、いわば帰国子女です。田園調布にある有名女子校を卒業後、四谷にある大学を卒業し今の会社に入りました。
今までの女性の先輩たちのお話、拝聴しましたけど、まぁ、皆さん、揃いも揃って溢れんばかりの嫉妬、見ていて滑稽です。こんなに人を妬んで、人生苦しくないのかと心配になっちゃいます。絶世の美女でもないのに?私と大して変わらない顔なのに?不平等だ!と弾糾したい気持ちもわかりますが、もっと生産的に、合理的にいきましょう。
羨んでも得にならないどころか、世間からの評価を下げてしまうこと、気付いていないのでしょうか?
私は、妬み嫉みの色眼鏡でサエコさんを見ていないからこそ、仕事のプロジェクトで一緒になって以降、サエコさんに何かと気に入ってもらって、合コンにもごはんにも、何度もご一緒させていただいたこともあります。
そんなサエコさんの近いところにいる私からみた、サエコさんの凄さを語らせていただきます。
ひとつ言っておくと、男が”勝手に”狂っていくわけじゃないんですよ。
サエコパイセンが、緻密に狂わせる罠を仕掛けているんです。
その手腕の鮮やかさといったら見事です。正直、彼女が戦国の世に男として生を受けていたのなら、歴史に名を残す策士になったと時々末恐ろしくなることがあります。
嫉妬してハンカチ噛んでる暇があったら、私みたいに、サエコさんとフェアに仲良くして、その男性たちの掌握術を一つでも物にした方が、人生有意義になると思いますよ。
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