2025.02.14
冬のデートや女子会には「個性派鍋」が最善だ。ご馳走感がありながら、独創性も光る鍋に、体も喜ぶこと必至。
美味なる世界へ誘うとっておきの鍋をご紹介しよう。
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1.ハーブが香る新感覚鍋はゼロ辛の優しさで本場を凌ぐ
『マツミサカバ』の「タイ風もつ鍋」
タイのジャンク料理を体が喜ぶヘルシー鍋に
「レモングラスやバイマックルーなどを独自配合したハーブペーストがタイ風たる所以です」と微笑むのは、凄腕料理研究家で芸人の馬場裕之さん。
馬場さんに店名『マツミサカバ』の由来を問うと「店がある松見坂と、僕の馬場の“ば”を加えた造語です。シンプルでいいでしょ」とご満悦。
「発想の源はバンコクの屋台で食べた臓物鍋です。これが衝撃的に美味しく、日本の優れた食材で作れば最高の鍋になる」と、記憶を頼りに約10年かけレシピを考案。2024年夏に専門店を開業した。
エスニックの鍋という鮮烈な食体験に感動必至
圧力鍋で牛テールと香味野菜をしっかり煮込んだスープがベース。提供直前にパキスタン産「パハール岩塩」やナンプラーで調味。
食材の甘みや旨みがしっかり感じられる上品な味わいに仕上げている。卓上にはタイの屋台のように、チリパウダーのほか、ナンプラーやレモン汁もあり、好みで味変できるのもいい。
気になる味わいを端的に表現すると、辛くないグリーンカレー。
さわやかなハーブの香りが鼻腔をくすぐり、ナンプラーのふくよかな塩味が口内を包む感覚は、正にタイ料理。辛みが欲しければ激辛チリパウダーで調整が可能だ。
ギアラやセンマイ、ハチノスなど、食感や味わいの異なる各種もつはすべて国産。
馬場さんが築いた独自のルートで極上品を仕入れる。その上で下茹でなどの事前処理も丁寧にし提供直前に圧力鍋で軽く煮てグッと柔らかくする。はじめはキャベツとごぼう、豆腐のみでシンプルに。
最初の具材を食べ終えたら食物繊維がたっぷり摂れる野菜中心の第二弾具材が登場するのもユニーク。
背景には万人が喜ぶ健康的な美味しさを理想とする馬場さんの愛がある。さらに「食材は安心できるものを」と、自家栽培でハーブを育てるこだわりぶり。
旨みをたっぷり吸い込んだもっちりとした麺で〆る
〆は残ったスープにココナツミルクを入れることでさらにグリーンカレー風に。雑炊もできるが、ぜひ中華麺を。保存料不使用の特注品の麺はもっちりと太く、専門店も顔負けのこだわりよう。小麦が豊かに香り、コク深いスープとの相性も抜群。
志高く、採算度外視で頂きを目指した鍋は必食だ。
スパイス香る鍋には、さっぱりとしたタイビールが合う!
着想となった店がセルフで酒を提供するローカルが集まる店だったので、その雰囲気を踏襲するためタイビールをそろえた。どれもさっぱり飲みやすく、香る鍋に抜群。
右から「レオ」「シンハー」「チャーン」各¥800。
2.四川料理の匠・趙楊さん直伝6種のスープに火鍋の神髄を見る
『四川料理 花重』の「三色火鍋」
手間ひまかけて仕込む滋味深さが本物の証
感動は『四川料理 花重』の店内に入った瞬間から。八角、唐辛子、桂皮……心地良いスパイスの香りが鼻をくすぐる。
「重慶出身で漢方医だった祖父から父、そして私へ薬効や美味しさは連綿と伝えられてきました」
そう語る花重さんの父は名料理人の趙 楊さん。20代で成都にある迎賓館の料理長になった天才で来日してからもずっと四川料理の魅力を伝えてきた。最後の弟子が夫の田中宏茂さん。
辛味以上に香りが重要な師の料理を花重さんとともに継承。大切に守る逸品に四川火鍋がある。
本場中国の人も舌を巻くスープはもはや芸術品
「麻辣湯」は牛骨ベースで四川産唐辛子を含む20種以上のスパイス使用。「酸菜魚湯」は四川漬物が味の決め手で、ほかに豚足入り「老媽蹄花湯」や鴨とアガリスクの「珍菌湯」、朝鮮人参も効く「白湯」がレギュラー。
常時6種がそろうスープすべてを一から作っており白湯なら丸鶏、酸菜魚湯なら鯛と出汁の要になる食材はどれも異なる。麻辣湯は辛いが、旨みも感じられるどこか優しい味。
「辛さも塩気もほどほどで汁もごくごく飲める。それが古典的な四川火鍋と父も言ってました」と花重さん。
スープは最初からコク深いが、具から出た旨みでどんどん複雑になり、より美味しくなっていく。これぞ本物の奥深さなのだろう。
「〆」の担々麺まで続く徹底した本場感
「現地では日本と違い、鍋の〆は別に頼むのが普通」と花重さん。
『花重』でも〆は汁なし坦々麺を銘々皿で提供。趙楊さん直伝の美味しさが味わえる。
ほかにもアラカルトで「麻婆豆腐」(¥1,400)が用意されており、本場の香味で食通を魅了した、伝統の逸品が楽しめる。
多彩なスープに寄り添うクラフトビール&シードルで乾杯
群馬県川場村のKAWABA BEERのヴァイツェン(¥880/右)は白ビール特有のフルーティさと無濾過ゆえに醸されるクリアな甘い香りが心地良い辛さと調和。
同蒸留所はシードル(¥1,200)も作っており、さわやかな酸味が火鍋に合う。
3.名店出身の店主が生み出す山椒が香るさわやかな和の鍋
『地土里』の「山椒鍋」
一度食べたらクセになる類い稀なる魅惑の鍋
オープンしたばかりなのに早くも3ヶ月先まで予約が先行しているという『地土里(ちどり)』。
人気の理由は店主・相内洋人さんが生み出す独創的な鍋と焼き鳥で紡ぐとびきりのコースにある。
鶏の旨みと山椒のさわやかさに心満たされる
鍋は「とり鍋」「山椒鍋」「鴨鍋」と3種類から予約時に選べるが、圧倒的な人気を誇るのが「山椒鍋」だ。
「一度食べた方は絶対にリピートしてくれます」と相内さん。
鍋の主役といえば肉か魚介と決まっているが、この鍋においては和歌山県産ぶどう山椒の存在が圧倒的だ。
鍋のスープは山椒の風味を活かすため、あっさりとした和風の合わせ出汁に。鰹は鹿児島産、昆布は北海道の羅臼昆布の一等もので極上の素材を惜しげもなく使う。
さらにきのこ類や鶏肉から旨みが溶けだし、それらが融合して厚みのある旨みができ上がる。飲み干せば薫り高い鰹を感じる。
日本の山椒はさわやかな香りと穏やかなピリピリ感が特徴だが、大粒のぶどう山椒は清々しさがくっきりとして刺激も強い。
鶏肉は時期でも変わるが、基本は肉質がしっかりした赤身の強い地鶏を使用。この日は赤身が強く、甘みも濃い「東広島こい地鶏」。これに香りの高いせりやシャキシャキの食感が小気味良いおかひじきなど、癖が強い野菜を組み合わせて、その妙で楽しませてくれる。
丁寧にとった鰹と昆布の出汁に青山椒、きのこ、鶏肉を加えて煮立てればカウンターは陶酔するような芳香に包まれる。
合わせる野菜も根付きのせりやおかひじき、みょうがなどひとクセあって個性的。
目の前で作るダイナミックな所作や相内さんのトークに引き込まれ、鍋を食べる幸福を隅々まで感じられる。
鍋前までの一品も秀逸
和食がベースながらもコースの構成は他にないほど個性的。
クライマックスの鍋に向かって、焼き鳥5種や揚げ物などの一品料理、さらには相内さんが皮から手作りする小籠包などの点心まで全11品。
特に焼き鳥は鍋と並ぶこの店の主役。
炭火で優しく焼き上げるので肉質がふわりと柔らかく、いくらでも食べられそうだ。
旨みが強い個性派鍋には洗練さと複雑な風味が光る至高の1本を
ワインも多くそろえるが、鍋にはシャンパーニュを。繊細な和食から山椒鍋のビリビリ、焼き鳥の脂にも立ち向かえる唯一無二のしなやかさを持つからだ。
伝統製法を守って作る「クリュッグ」(ボトル¥88,000)がオススメ。
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