スパイス香る「個性派鍋」は、女子会にもぴったり。体も喜ぶ至高の鍋3選

冬のデートや女子会には「個性派鍋」が最善だ。ご馳走感がありながら、独創性も光る鍋に、体も喜ぶこと必至。

美味なる世界へ誘うとっておきの鍋をご紹介しよう。



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1.ハーブが香る新感覚鍋はゼロ辛の優しさで本場を凌ぐ
『マツミサカバ』の「タイ風もつ鍋」

神泉『マツミサカバ』の「タイ風もつ鍋」

タイ風和牛モツ鍋 コース1人前¥3,800
[第一弾具材]もつ(ギアラ、センマイ、ハチノス、テッポウ)野菜(キャベツ、ごぼう)豆腐
[第二弾具材]もつ(マルチョウ)野菜(豆もやし、小松菜、にんじん、シメジ、エノキ、キクラゲ)


タイのジャンク料理を体が喜ぶヘルシー鍋に


「レモングラスやバイマックルーなどを独自配合したハーブペーストがタイ風たる所以です」と微笑むのは、凄腕料理研究家で芸人の馬場裕之さん。

神泉『マツミサカバ』の馬場裕之氏


馬場さんに店名『マツミサカバ』の由来を問うと「店がある松見坂と、僕の馬場の“ば”を加えた造語です。シンプルでいいでしょ」とご満悦。

「発想の源はバンコクの屋台で食べた臓物鍋です。これが衝撃的に美味しく、日本の優れた食材で作れば最高の鍋になる」と、記憶を頼りに約10年かけレシピを考案。2024年夏に専門店を開業した。

エスニックの鍋という鮮烈な食体験に感動必至

神泉『マツミサカバ』の「タイ風もつ鍋」のスープ


圧力鍋で牛テールと香味野菜をしっかり煮込んだスープがベース。提供直前にパキスタン産「パハール岩塩」やナンプラーで調味。

食材の甘みや旨みがしっかり感じられる上品な味わいに仕上げている。卓上にはタイの屋台のように、チリパウダーのほか、ナンプラーやレモン汁もあり、好みで味変できるのもいい。

気になる味わいを端的に表現すると、辛くないグリーンカレー。

さわやかなハーブの香りが鼻腔をくすぐり、ナンプラーのふくよかな塩味が口内を包む感覚は、正にタイ料理。辛みが欲しければ激辛チリパウダーで調整が可能だ。

神泉『マツミサカバ』の「タイ風もつ鍋」


ギアラやセンマイ、ハチノスなど、食感や味わいの異なる各種もつはすべて国産。

馬場さんが築いた独自のルートで極上品を仕入れる。その上で下茹でなどの事前処理も丁寧にし提供直前に圧力鍋で軽く煮てグッと柔らかくする。はじめはキャベツとごぼう、豆腐のみでシンプルに。

最初の具材を食べ終えたら食物繊維がたっぷり摂れる野菜中心の第二弾具材が登場するのもユニーク。

背景には万人が喜ぶ健康的な美味しさを理想とする馬場さんの愛がある。さらに「食材は安心できるものを」と、自家栽培でハーブを育てるこだわりぶり。

旨みをたっぷり吸い込んだもっちりとした麺で〆る

神泉『マツミサカバ』の「タイ風もつ鍋」の〆


〆は残ったスープにココナツミルクを入れることでさらにグリーンカレー風に。雑炊もできるが、ぜひ中華麺を。保存料不使用の特注品の麺はもっちりと太く、専門店も顔負けのこだわりよう。小麦が豊かに香り、コク深いスープとの相性も抜群。

志高く、採算度外視で頂きを目指した鍋は必食だ。

スパイス香る鍋には、さっぱりとしたタイビールが合う!

神泉『マツミサカバ』で提供している「レオ」「シンハー」「チャーン」


着想となった店がセルフで酒を提供するローカルが集まる店だったので、その雰囲気を踏襲するためタイビールをそろえた。どれもさっぱり飲みやすく、香る鍋に抜群。

右から「レオ」「シンハー」「チャーン」各¥800。

マツミサカバ(神泉) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

2.四川料理の匠・趙楊さん直伝6種のスープに火鍋の神髄を見る
『四川料理 花重』の「三色火鍋」

大塚『四川料理 花重』の「三色火鍋」

三色火鍋コース 1人前¥12,800
肉類(深谷牛肩ロース、黒豚バラと肩ロース)点心(はも団子、白菜と柚子の餃子)野菜(赤城しぐれ大根、カボチャ、ワサビ菜、青梗菜、白菜、ノーザンルビー)きのこ(タモギダケ、ヒラタケ、黒キクラゲ、茶エノキ、シメジ)魚介類(マダイ、赤エビ、蒸しズワイガニ)


手間ひまかけて仕込む滋味深さが本物の証


感動は『四川料理 花重』の店内に入った瞬間から。八角、唐辛子、桂皮……心地良いスパイスの香りが鼻をくすぐる。

「重慶出身で漢方医だった祖父から父、そして私へ薬効や美味しさは連綿と伝えられてきました」

そう語る花重さんの父は名料理人の趙 楊さん。20代で成都にある迎賓館の料理長になった天才で来日してからもずっと四川料理の魅力を伝えてきた。最後の弟子が夫の田中宏茂さん。

大塚『四川料理 花重』の田中宏茂氏、花重氏

天才肌の料理長、田中宏茂さんと人懐っこい笑顔が素敵なサービス担当の花重さん夫婦が出迎える店はアットホームな雰囲気


辛味以上に香りが重要な師の料理を花重さんとともに継承。大切に守る逸品に四川火鍋がある。

本場中国の人も舌を巻くスープはもはや芸術品

大塚『四川料理 花重』の「三色火鍋」のスープ

「上海蟹黄湯」は年末限定提供


「麻辣湯」は牛骨ベースで四川産唐辛子を含む20種以上のスパイス使用。「酸菜魚湯」は四川漬物が味の決め手で、ほかに豚足入り「老媽蹄花湯」や鴨とアガリスクの「珍菌湯」、朝鮮人参も効く「白湯」がレギュラー。

常時6種がそろうスープすべてを一から作っており白湯なら丸鶏、酸菜魚湯なら鯛と出汁の要になる食材はどれも異なる。麻辣湯は辛いが、旨みも感じられるどこか優しい味。

「辛さも塩気もほどほどで汁もごくごく飲める。それが古典的な四川火鍋と父も言ってました」と花重さん。

大塚『四川料理 花重』の「三色火鍋」の食材

たくさんの野菜やきのこはもちろん、魚介も旬の食材をずらりとそろえて大充実。圧巻のボリュームだが、スープが美味しいからか、スルッと食べられてしまう。頻繁に供される「深谷牛」は埼玉におふたりが住む縁で仕入れる人気の逸品。予約時に相談すれば、センマイなどのもつを具材に含めることもできる


スープは最初からコク深いが、具から出た旨みでどんどん複雑になり、より美味しくなっていく。これぞ本物の奥深さなのだろう。

「〆」の担々麺まで続く徹底した本場感

大塚『四川料理 花重』の〆の担々麺


「現地では日本と違い、鍋の〆は別に頼むのが普通」と花重さん。

『花重』でも〆は汁なし坦々麺を銘々皿で提供。趙楊さん直伝の美味しさが味わえる。

大塚『四川料理 花重』の「麻婆豆腐」

師直伝の〆麻婆も絶品!


ほかにもアラカルトで「麻婆豆腐」(¥1,400)が用意されており、本場の香味で食通を魅了した、伝統の逸品が楽しめる。

多彩なスープに寄り添うクラフトビール&シードルで乾杯

大塚『四川料理 花重』で提供しているKAWABA BEERのヴァイツェン、シードル


群馬県川場村のKAWABA BEERのヴァイツェン(¥880/右)は白ビール特有のフルーティさと無濾過ゆえに醸されるクリアな甘い香りが心地良い辛さと調和。

同蒸留所はシードル(¥1,200)も作っており、さわやかな酸味が火鍋に合う。

四川料理 花重(大塚) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

3.名店出身の店主が生み出す山椒が香るさわやかな和の鍋
『地土里』の「山椒鍋」

六本木一丁目『地土里』の「山椒鍋」

山椒鍋(おまかせコース1人前)¥13,200
和歌山県産のぶどう山椒、肉類(信玄鶏の胸肉、東広島こい地鶏の鶏モモ肉、阿波尾鶏のつくね)野菜(せり、おかひじき、みょうが)きのこ(丹波の大黒しめじ、福島のジャンボなめこ)


一度食べたらクセになる類い稀なる魅惑の鍋


オープンしたばかりなのに早くも3ヶ月先まで予約が先行しているという『地土里(ちどり)』

人気の理由は店主・相内洋人さんが生み出す独創的な鍋と焼き鳥で紡ぐとびきりのコースにある。

六本木一丁目『地土里』の相内洋人氏

料理人歴20年というベテランの相内さんが生み出すコースは、人気の鳥鍋に加えて、焼き鳥、果ては点心が供されるなど実に多彩


鶏の旨みと山椒のさわやかさに心満たされる


鍋は「とり鍋」「山椒鍋」「鴨鍋」と3種類から予約時に選べるが、圧倒的な人気を誇るのが「山椒鍋」だ。

「一度食べた方は絶対にリピートしてくれます」と相内さん。

鍋の主役といえば肉か魚介と決まっているが、この鍋においては和歌山県産ぶどう山椒の存在が圧倒的だ。

六本木一丁目『地土里』の「山椒鍋」


鍋のスープは山椒の風味を活かすため、あっさりとした和風の合わせ出汁に。鰹は鹿児島産、昆布は北海道の羅臼昆布の一等もので極上の素材を惜しげもなく使う。

さらにきのこ類や鶏肉から旨みが溶けだし、それらが融合して厚みのある旨みができ上がる。飲み干せば薫り高い鰹を感じる。

日本の山椒はさわやかな香りと穏やかなピリピリ感が特徴だが、大粒のぶどう山椒は清々しさがくっきりとして刺激も強い。

六本木一丁目『地土里』の「山椒鍋」


鶏肉は時期でも変わるが、基本は肉質がしっかりした赤身の強い地鶏を使用。この日は赤身が強く、甘みも濃い「東広島こい地鶏」。これに香りの高いせりやシャキシャキの食感が小気味良いおかひじきなど、癖が強い野菜を組み合わせて、その妙で楽しませてくれる。

丁寧にとった鰹と昆布の出汁に青山椒、きのこ、鶏肉を加えて煮立てればカウンターは陶酔するような芳香に包まれる。

合わせる野菜も根付きのせりやおかひじき、みょうがなどひとクセあって個性的。

目の前で作るダイナミックな所作や相内さんのトークに引き込まれ、鍋を食べる幸福を隅々まで感じられる。

鍋前までの一品も秀逸

六本木一丁目『地土里』の小籠包


和食がベースながらもコースの構成は他にないほど個性的。

クライマックスの鍋に向かって、焼き鳥5種や揚げ物などの一品料理、さらには相内さんが皮から手作りする小籠包などの点心まで全11品。

六本木一丁目『地土里』の焼き鳥


特に焼き鳥は鍋と並ぶこの店の主役。

炭火で優しく焼き上げるので肉質がふわりと柔らかく、いくらでも食べられそうだ。

旨みが強い個性派鍋には洗練さと複雑な風味が光る至高の1本を

六本木一丁目『地土里』で提供している「クリュッグ」


ワインも多くそろえるが、鍋にはシャンパーニュを。繊細な和食から山椒鍋のビリビリ、焼き鳥の脂にも立ち向かえる唯一無二のしなやかさを持つからだ。

伝統製法を守って作る「クリュッグ」(ボトル¥88,000)がオススメ。

地土里(六本木一丁目) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

▶このほか:デートにもぴったりな、しゃぶしゃぶ、焼き肉店2軒。最高の肉を知るスペシャリストが選んだ間違いない店とは

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