オトナの5分読書 Vol.16

一流のビジネスパーソンは飲み物にこだわる。仕事の効率を上げる飲み方のルールとは

若さを保つために積極的に摂りたい飲み物


体型の観点から考えると、筋肉をつけるには、たんぱく質の摂取が大事です。

常飲するなら牛乳・ヨーグルト・豆乳がいいです。運動習慣がある人は、プロテイン飲料も適しています。余計な脂肪がなく筋力が保たれていたら、身軽でフットワークもよくなり若々しく見えます。

皮膚の張りを保つためには、脱水がないこと。ビタミン類を含めた栄養素を摂取することが必須条件となります。

皮膚の主成分はコラーゲンというたんぱく質ですが、コラーゲンそのものを摂っても、腸でアミノ酸に分解されてしまいます。食べたコラーゲンが、そのまま皮膚のコラーゲンになるわけではありません。

なのでコラーゲンそのものを摂取しても、皮膚の張りとは直接関係がないので期待しないようにしましょう。皮膚への効果は、コラーゲン飲料も牛乳も豆乳も同じレベルです。

なお、コラーゲンそのものの過剰摂取は、尿路結石のリスクがあるので注意しましょう。

若々しさは、体の内側から醸し出されるものです。

そのためには内臓が健康である必要があり、食欲があることと便秘をしないことが重要です。便通には、食物繊維や乳酸飲料が重要です。若さには肝臓の機能も重要となりますが、お酒を控えると同時に、肝庇護作用のある飲料を飲むと好いでしょう。

男性は、男性ホルモンもほしいですよね。残念ながら男性ホルモンを含んだ飲み物はありませんが、女性ホルモンの類似物質は、飲み物から摂取できます。

豆乳(及び大豆製品)をたくさん飲んで、ぜひ若々しさを保ってください

豆乳には、イソフラボンと鉄分が多く含まれてます。イソフラボンは、女性ホルモンと似た作用をする成分です。

女性ホルモンですから、その摂取には賛否両論あります。ただし「否」の意見は、豆乳ではなくイソフラボンサプリメントに対してのものも含まれており、イソフラボン含有量がケタ違いに多いサプリメントの話を、豆乳や豆腐、納豆、味噌にそのまま適用するのはよくないと思っています。正しいかどうかは別にして、思春期の男子や妊娠中の女性が毎日飲むなら1日200mlくらいにしておくのが無難、という意見はあります。

といっても豆乳は、女性ホルモンが不足気味の女性にとって非常に適した飲み物であることは間違いありません。女性は、豆乳をどんどん飲みましょう。

なお、調製豆乳や豆乳飲料は甘みがつけてあり、カロリーがそれなりに高いので、その点は要注意です。

ちなみに植物性ミルクは牛乳とは無関係です。

豆乳に少し似ている「アーモンドミルク」「オーツミルク」「ライスミルク」といった植物由来の白い飲み物もあります。豆乳の「大豆」をほかの植物に置き換えたようなものです。見た目と名前は牛乳によく似ていますが、これらはミルク、つまり牛乳とはまったく関係ありません。

植物性ミルクの正体を簡単に説明すると、その植物を砕いて水を加え、甘い味をつけた飲み物と言えます。そのため成分は食物繊維が多く、たんぱく質とカルシウムは少ないといった特徴があります。カロリーは、添加した糖の量次第で高いものから低いものまで幅があります。植物性なのでコレステロールは最初からゼロです。


若さを保つために避けたい飲み物


余計な脂肪を減らすには、カロリーオーバーを避けることが大事です。実行しやすい具体的な方法のひとつは、異性化糖を含んだ飲料を避けることです。

異性化糖は、材料に高価なてん菜やさとうきびではなく、安価なとうもろこしが使用可能なので非常に安く作ることができます。ペットボトル入りのコーラや紅茶などの甘い飲み物に入っている糖は、ほとんどがこの異性化糖です。

果糖の瞬間的大量摂取は、体内でいろいろな悪いことをするので、健康の敵です。

また、実年齢よりも早く老け込む飲み物の代表は、お酒です。

毎日お酒を飲んでいる人は、見た目もそして実際にも老け込むのが早い。皮膚のツヤや張りが少ないのは、アルコールによる脱水を繰り返したせいなのかもしれません。

4. 本書のココがすごい!


今回紹介した、『なぜ、一流は飲み物にこだわるのか?』田中越郎著(クロスメディア・パブリッシング)のすごいところは下記に集約される。

① 食事や運動と同じくらい飲み物を何を選ぶかが健康に及ぼす影響がわかる。

② 栄養学的知識をもとに、仕事の効率を上げるための飲み物を選ぶことができるようになる。

③ 飲み物の成分をきちんと理解できるようになるため、宣伝文句や値段に惑わされずドリンクを選ぶことができるようになる。


【著者】 田中越郎(たなか・えつろう)

東京農業大学名誉教授。医学博士。専門は栄養学・生理学。長崎市生まれ熊本市育ち。

熊本大学医学部を卒業後、三井記念病院内科、スウェーデン王立カロリンスカ研究所留学、東海大学医学部などを経て、東京農業大学栄養科学科へ。

所属が農業大学という特徴を活かし、健康におよぼす食品の影響について、医学と栄養学の両面からずっと研究を続けてきた。食品と臨床医学の両方に造詣が深い数少ない栄養の専門家。

授業や著書のわかりやすさには定評がある。日本テレビ『世界一受けたい授業』、NHK『あさイチ』などメディア出演多数。

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