2022.03.12
現代の“教育・お受験”リアルドキュメント Vol.12近年、2月というのは特別な暦となりつつある。
日本各地で悲喜こもごもの声が飛び交う中学受験の終わりであり、始まりの月でもある。
東京都の「令和3年度公立学校統計調査報告書」によると、平成30年度の私立中学へ進学する割合は、17.9%を占めた。
令和元年度には18.4%に伸び、令和2年度になるとさらに増えて18.7%と、年々増加傾向にあるという。
我が子に質の高い教育を受けさせたい、あるいは子どもの個性に合った教育を受けさせたい。そんな思いを抱くのは、ごく限られた家庭だけの話ではない。
今回は、こうした中学受験において欠かせない「受験塾の選び方」に注目してみようと思う。
本来であれば親子の伴走者として頼りになるはずが、困ったことにこの受験塾、ピンからキリまであり、費用も決して安くはない。
どんな塾を選べば正解なのか。1つ言えるのは、ちゃんと選ばないとトンデモないことになりかねない、ということだ。
前回の記事はこちらから
6年間で4,000万の出費!?もしも我が子が、医師になりたいと言い始めたら…
▽INDEX
1. 家族仲のよかった家から、親子喧嘩の罵声が飛び交う
2. 塾講師ママが教える「こんな塾は最初からNG」4か条
3. 我が子に最適な塾選び「押さえておきたい5つのポイント」
4. 本格塾通いのスタートダッシュに、出遅れないために
家族仲のよかった家から、親子喧嘩の罵声が飛び交う
「行けって言ってるやろ!」
「もう、行きたくないって言ったら行きたくない!」
「いま行かんと一生、後悔することになるで!」
「後悔したっていい。とにかく行きたくない!」
「あんたのために、どんだけパパとママが頑張ってると思うてんの!」
「僕のためじゃなくて、自分たちのためやろ!」
夕暮れの閑静な住宅街に、そんな親子喧嘩の声が響きわたる。
「小学校1〜3年のうちに勉強する習慣がついてなくて、4年生からいきなり受験塾に行きましょうってなっても、子どもにはすでにゲームやYouTubeなどの逃げ道がいっぱいあるんですよ。
そのうえ子どもが行きたくないような塾だと、どうしても行かなくなるんですよね」
そう語るのは10歳と6歳の2女の母親であり、大阪で個人塾を経営する中島美和さん(仮名、42歳)だ。
中島さんは学生の頃からアルバイトでやっていた塾講師の経験を生かし、小学生から高校生まで幅広い学年を対象に、寺小屋のような形で指導にあたる。
彼女が言うには、中学受験への熱量の高さは関西も例外ではないという。
塾に行きたくないと家の中で荒れる子どもと、何とか行かせようとする親との間で、近所にも聞こえるような大喧嘩が繰り広げられるケースは珍しくないそうだ。
中学受験をする家庭の一般的な例でいうと、子どもが小学3年の終わり頃に受験塾に入塾し、4年生から通うケースが多い。
その塾代は学年が上がっていくと夏季・冬季講習なども加わり、中学受験の塾にかかる費用の平均は年間100万円前後と言われる。
なかには決して安くはない費用を塾に払っても、子どもの成績は一向に上がらず、志望校の基準に届かない。
あるいは塾の説明では我が子の学力の程度がよくわからず、得意・不得意科目もいまいちわからないといった不明瞭な対応をする塾も多い。
時間だけが無情に過ぎていき、親の負担は金銭面だけでなく精神面でも相当なものとなる。
そこにきて子どもが「ゲームをしたいから」という理由で塾に行きたくないと言い出せば、それまでの努力は何だったのかと、つい感情的になってしまうのも無理はない。
「大手の塾の玄関口に貼り出された進学実績の多さを見て、ここなら間違いないと安易に選ぶ人ほど、そういう事態になることが多い。
そうならないために、どれだけ子どもに合った塾を選べるのか、塾選びはとても重要になってきます。なかには、受験家族をカモにしようとする塾だってありますから」(中島さん)
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