SPECIAL TALK Vol.111

~いつだって新しい人に出会いたい。シンプルな好奇心が新たな交流を生んだ~


転校を繰り返すうち、気づけば暴走族と交際


金丸:早速ですが、お生まれはどちらですか?

河村:奈良県です。といっても、父は商社で働く転勤族でした。だから奈良にいたのは4歳までで、そのあと小学校5年生までは千葉に住んでいました。

金丸:千葉のどちらにお住まいだったんですか?

河村:柏の新興住宅地です。そこに家を買って。

金丸:転勤族だったのに?

河村:1985年頃だったと思いますが、当時は家の値段がどんどん上がっていたので、「いま買わなきゃ」と思ったんでしょうね。

金丸:たしかに。私も同じ時期に買ったマンションが3倍まで値上がりしました。

河村:うちも同じです。3,000万で買ったのが1億円まで上がって、そのあとドーンと下がって。結局1,000万円で売りました。駅から遠い物件だったので、値下がり幅も大きかったです。

金丸:金融的には買っちゃいけない物件でしたね(笑)。

河村:そうですね(笑)。投げ売りみたいな感じでしたから。

金丸:千葉のあとはどちらに?

河村:シンガポールの日本人学校へ通いました。

金丸:今度は海外。子どもの頃って、住むところが変わるたびに新しい環境になじまなきゃいけないから、結構ダメージがありませんでしたか?私も子どもの頃、大阪から鹿児島への引っ越しを経験しました。なじめないわけじゃないけど、何か違和感がありましたね。

河村:そのぶん鍛えられることもありますよね。私は結構社交的だったので、そこまで大変ではありませんでした。

金丸:シンガポールにはいつまでいらっしゃったんですか?

河村:中学卒業までです。その後、転勤で今度は大阪府の東大阪市に。町工場が多いところです。

金丸:私が大阪にいた頃は、あまり治安がよくないエリアという印象でしたけど。

河村:そうですね。そういう環境にいたせいか、いつの間にか私も金髪になり、暴走族の彼氏ができていました。

金丸:いつの間にか(笑)。商社勤務の家庭に生まれて、子どもの頃に海外を経験し、そのままエリートになってもおかしくないのに、いったい何がきっかけで?

河村:衝撃的なことがあったというわけではなくて、たまたま環境がそうだったから、と自分では思っています。当時の私は勉強ができなくて、偏差値の低い公立高校に進学しました。そしたら、周りにそういう人たちがいて。

金丸:だけど、その高校の生徒がみんな暴走族と付き合うわけじゃないでしょう?

河村:それはそうですね(笑)。これまで接点がなかった人たちに出会って、「いったいどういう人なんだろう」っていう気持ちが湧いてしまいました。

金丸:本当に社交的ですね(笑)。

河村:人が好きだし、好奇心が強いのはいまでも変わりません。新しい人と出会いたいという気持ちがいつもありますね。

金丸:好奇心ゆえに、普通の人なら近寄らないような人にも分け隔てなく接して、結果、染まった。ちなみに暴走族の彼氏は組織でいうと、どれぐらいのポジションにおられたんですか?

河村:2番手くらいですかね。

金丸:じゃあ、しっかり守ってもらえるポジション。

河村:だから居心地はめっちゃよかったです(笑)。

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