ハイブラパトローラー Vol.12

憧れの一級品に心を燃やす女たちのリアルを覗こう。「ハイブラパトローラー」全話総集編

「喉から手が出るほど、欲しい――」

高級ジュエリーに、有名ブランドのバッグ。

その輝きは、いつの時代も人を魅了する。

しかし誰もが欲しがるハイブランド品は、昨今かなりの品薄状態だ。

今日もショップの前には「欲しい」女性たちが列をなし、在庫状況に目を光らせている。

人呼んで「ハイブラパトローラー」。

これは、憧れの一級品に心を燃やす女性たちのドラマである。

「ハイブラパトローラー」一挙に全話おさらい!

第1話:お目当てのバッグを求め、エルメスを何軒も回る女。その実態とは…

エルメス 伊勢丹新宿店に到着すると、すでに数十人が並んでいた。

― お店に入るまでに15分は並ぶわね。

瑞穂の目的は、エルメスの人気バッグ「ピコタン」。3ヶ月前から探しているが、品薄でなかなか出合えない。だから毎週末、転々と都内の店舗を探し回っている。

― 新宿になかったら、銀座店に移動しよう…。

ここまでしてでもピコタンが欲しいのは、「35歳の記念にピコタンを買う」と心に決めているからだ。

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第2話:入手困難なエルメス「ケリー」に執着するセレブ女。手段を選ばない彼女がハマった罠とは?

真由子の願い。それは幅20センチにも満たない小さなケリーバッグ、ミニケリードゥを手に入れることだった。

可愛いサイズ感に、神々しく光るクロア(留め具)の輝き。

約1年前、モーヴシルベストルのミニケリーを店頭のディスプレイで一目見たとき、真由子は「これこそが、1人で頑張ってきた私へのご褒美なのだ」と確信した。

― ミニケリーが自分のものになったら、どんなに幸せだろう。

ハンドルに指先だけをそっとかけて持ち上げた時のレザーの手触りや軽やかさを想像するだけで、真由子の胸は高鳴るのだ。

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第3話:自称「港区で無双する女」、25歳。ヴァンクリ目当てで12歳上の経営者と交際した結果…

今のところ一番条件がいいのは、経営者の篤志さん。12歳上なのが気になるが、彼となら幸せになれそうな気がする。

一方、ヴァンクリパトロールは惨敗中だ。持っているアルハンブラシリーズを全部つけて、ヴァンクリ愛をアピールしても、何も対応は変わらない。

― お金を出していた俊哉がいないだけで、全然相手にされないのね。

ある金曜日の夕方、日本橋三越のパトロールに惨敗した私は、篤志さんと付き合うことを決めた。

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第4話:「既読無視」に込められた深い事情に気づけず…。25歳女が後悔した理由

次の週末、佳代は午前中から銀座界隈のパトロールを終え、早々に帰宅する。

― 今日も在庫なし。恵子さんみたいになるにはまだ早いっていうことなのかな?

部屋で悶々とオンラインサイトをチェックしても、在庫はない。

― そういえば、ばあばからLINEの返信がまだないな。どうしたんだろう?

不思議に思っていると突然、母からの着信があった。

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第5話:東工大卒・研究員の真面目な彼が一変。海外出張に行って2週間が経つ頃、既読スルーが増え…

…思い出すのは、3年前のある夜。

何気なくテレビドラマを見ていたひかりは、画面にかじりつくかのように、前のめりになった。5粒のパールが連なるピアスが、童顔女優と呼ばれる主演女優を、美しい大人の女性に見せていたのだ。

それが「バランス」というタサキのカジュアルラインであることをひかりは知っていた。デパートのポップアップで見かけたことがあり、気になっていたからだ。

そして次の日の仕事終わり。ひかりは職場に近い二子玉川の高島屋に出向いたのだが、ジュエリー売り場の店員さんは困った表情で言った。

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第6話:両家顔合わせが修羅場に一変。30歳コンサル女子が激高した義母の「信じられないセリフ」

― 結婚して群馬に帰ったら、私はこういう人たちと生きていくんだよね。

田舎特有の人間関係。今、ゆりのポジションは最下位だ。ゆりの表情を見て、隆夫がゆりの頭をなでる。

「おい、お前はゆりのことを悪く言うなよ。こいつ、ブラック企業勤めだから洗脳されやすいけど、すげえ気が利くいい女なんだよ」

隆夫の手の重みを感じながら、ゆりは自分に言い聞かせる。

― 必ず隆夫が守ってくれる。だから大丈夫だよね。

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第7話:カルティエの婚約指輪にこだわる大手商社・29歳女。彼から「話がある」と呼び出され…

― 花恵、婚約指輪にはこだわりたいって言っていたのに…。

いつだって完璧で幸せな花恵の、小さな妥協。夏美は、花恵への複雑な感情の落としどころを見つけた気がしたのだ。

― 私は、大好きなカルティエで、世界に1つだけの婚約指輪を手に入れるんだ。花恵ができなかったことができれば…私も花恵と対等になれる。

夏美は、その時初めて、花恵への複雑な感情の正体が「憧れと嫉妬」であることを認識した。

以来、花恵の結婚式に、カルティエの婚約指輪をつけていくことにこだわっている。

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第8話:「指輪はハリー・ウィンストン一択!」しかしブティックに行くと、婚約者は思わぬ反応で…

「俺、早速愛花のご両親に結婚の挨拶に行きたい。それまでに、愛花に婚約指輪をプレゼントしたいな」

食後のコーヒーを飲みながら拓斗が話し出したので、愛花は身を乗り出した。

「なら、今週末にでもハリー・ウィンストンに見に行かない?母がね、出かけるときは、今でも婚約指輪を必ずつけるの」

愛花はうっとりと話し続ける。

「それを見るたびに思っていたんだ。婚約指輪って、一生付き合っていく最高の宝物なんだって」
「へえ、それでなんでハリー・ウィンストンがいいの?」

第8話の続きはこちら

第9話:これってモラハラ?1歳児の世話でヘトヘトの妻に、経営者の夫は笑顔で信じられないことを提案し…

8年前。25歳の誕生日プレゼントに、恵がミニマトラッセをリクエストしたときのこと。元夫の渡辺は白紙のノートを開き、こう言ったのだ。

「どうしてミニマトラッセが欲しいのか、理由を書いてみよう」

恵がどんな理由を書いても『それはなぜ?』と追及される。

夜も更けた1時、びっしりと恵の字で埋め尽くされたノートを見て、渡辺は言った。

「このノートを見て、欲しい理由をもう一度考えよう」

第9話の続きはこちら

第10話:シャネルを買うために、食費や美容代を節約する33歳女。次第に苦しくなり、とうとう…

移動中、タクシーの中からシャネル銀座ビルディングを眺めると、ため息をつく。

数年前に天王洲アイルで行われた「マドモアゼル プリヴェ展」に行ってから、涼子はシャネルに憧れている。

特に、その時にマネキンが持っていた、コロンとしたフォルムのトップハンドル フラップ バッグ、通称ココハンドルに心を奪われてしまった。

― 今年こそ、ココハンドルを買えますように。さあ、気持ちを切り替えて、仕事しよう!

第10話の続きはこちら

第11話:娘を港区の幼稚園に入れたママ。登園初日に目に飛び込んできた、驚愕の光景とは?

香音が港区の幼稚園に入ったころから自分は変わった、と遥香は思う。

幼稚園の登園初日、遥香は美しくおしゃれなママたちに驚いた。香音の幼稚園は、いわゆるネイビー園ではないので、送り迎えのママたちの姿は、まるでファッションショーのように華やか。

ティファニーのT スマイル ペンダント、ディオールのブックトート、ヴァレクストラのイジィデ チェーンウォレット…。

それよりも驚いたのは、ママ友たちの遥香に対する態度だった。

第11話の続きはこちら

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