恋人や結婚相手を探す手段として浸透した「マッチングアプリ」。
接点のない人とオンラインで簡単につながることができる。
そう、出会うまでは早い。だけど…その先の恋愛までもが簡単になったわけじゃない。
私が、僕が、あの時NGを出したワケ。ここでこっそりと教えてあげる。
▶【Q】はこちら:狙い目の“新規会員の男”と初デート!途中までは順調だったが
Episode01【A】:山田健太郎、30歳。
男同士でも、アプリ婚活の情報共有は怠らない
「最近増えてきたよな…」
午前中のマーケティング戦略会議が終わり、同期の大須賀が唐突に話しかけてきた。
― ん?なんのことだ?
僕と大須賀は、港区にある大手IT企業のマーケティング部門に所属している。
今日の会議は、製品の新規展開についてだった。
僕らもプレゼンテーションを行ったのだが、その件だろうか。
「確かに…AIを使ったマーケティングは増えてきているよな。だから、個別化の施策も今後勉強しておかないとだよな」
「え?」
「え?って、そのことじゃないのか?」
「ははっ。ちがう、ちがう!これから昼だっていうのに、仕事の話なんかしないよ」
それもそうだと思いながら、僕たちは社員食堂のメニューを眺めた。
「マッチングアプリきっかけの結婚が、最近増えてきたよなぁって」
結局、大須賀はハンバーグで僕はカレーという、いつもの定番に落ち着き、空いている席に座り食べ始める。
― アプリ婚か…。
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