マッチングアプリの答えあわせ【A】~SEASON2~ Vol.1

マッチングアプリの答えあわせ【A】:「うゎ、無理…」初デートで、男が女に幻滅した瞬間とは

大須賀と同じチームの後輩が、最近結婚した。相手の女性は、アプリで見つけたというのだ。

その話を聞いた大須賀は、速攻で同じアプリに入会したらしい。

「山田も彼女いないよな?ここ、結構可愛い子が多いからやってみろよ。アプリのURL送っておいたから」

― おいおい…いつの間に。

僕は、その場で半ば強制的にそのアプリをインストールさせられた。

でもたしかに、大須賀も心配する通り、僕に3年半も彼女がいないのは由々しき問題だ。

周りも結婚し始めているし、今こそ重い腰をあげる時なのかもしれない。

「…まぁ、自力で出会いを見つけるのも大変だし、社内恋愛はしたくないしなぁ」

僕は決意表明として、来週までにひとり以上とデートすることを大須賀に約束した。

― まずはプロフィール作らなきゃな。

自席に戻り、自分が写っている写真を探して、誠実かつ簡潔にプロフィールを書いた。


その日の仕事終わり。僕は自宅に帰る途中、配達時間を計算しながらUber Eatsを注文した。

その間にシャワーを済ませ、いつものようにPS5の電源を入れる。

習慣化されている、僕の平日の過ごし方だ。

僕は昔からゲームが好きで、今ハマっているのは、ループ世界で戦闘やステルス、探索などを行うもの。

週末ともなると朝方まで延々とやってしまうし、食事も適当でいいから、外食もしなくなる。

― あ。もしかして僕に彼女ができない原因はこれか?


こんなんじゃ、天から降ってこないかぎり彼女などできるわけがない。

僕は、PS5のプラグをコンセントから引っこ抜き、そのまま本体ごとクローゼットに押し込んだ。

体に染みついた癖や習慣は、なかなか変えられないので、強行手段を取ったのだ。

「よし、これでいい」

僕は、Uber Eatsで届いた炙り焼きチキン丼を食べながら、マッチングアプリを開いた。

まだ、自分からは何もしていない。

しかし、ある女性から「いいね」があったので、プロフィールを見にいく。

『こんにちは!食品メーカーでお菓子の企画開発を担当しています。

趣味は、アフタヌーンティーに行くことと、コンビニスイーツを試すことです♡ついつい、他社のお菓子の新しい味やパッケージデザインのチェックをしちゃいます。笑

明るく元気が取り柄で、仕事もプライベートも全力で楽しむタイプです!よろしくお願いします』

― 明るくて、仕事も頑張っている。いい子そうだなぁ。

写真を見る限り、顔も綺麗だし、上半身しか写っていないもののスタイルも良さそうだ。

僕は、このATさんという女性が気になり「いいね」を返した。名前は綾子というらしい。

この記事へのコメント

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No Name
これ2年位前も同じ連載やって、Qは無料記事、Aは有料記事でしたよね。当時は有料会員と無料会員とのコメントバトルがすごかった記憶が。
2023/05/31 05:1667返信3件
No Name
有料なら有料で別にいいけれど、これってそもそも東カレ小説の読者からネタを募集してましたよね?!要するにユーザーから集めた体験談を元に書いた記事。にも関わらず「有料会員限定」にするなんて、すごいわ。笑
2023/05/31 05:5656返信4件
No Name
え、Aは有料なの?まさかのやり方
2023/05/31 05:1032返信1件
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