東京のアッパー層。
その中でも、名家や政財界などの上流階級の世界は、驚くほど小さく閉じている。
例えば、ついうっかり“友人の結婚式”なんかに参加すると「元恋人」や「過ちを犯した相手」があちこちに坐っていて冷や汗をかくことになる。
まるで、いわく付きのパールのネックレスのように、連なる人間関係。
ここは、誰しもが繋がっている「東京の上流階級」という小さな世界。
そんな逃れられない因果な縁を生きる人々の、数珠繋ぎのストーリー。
▶前回:披露宴のテーブルで、新婦の悪口を言う女友達。笑顔の下に隠された恐ろしい本音
Vol.5 P.M.1:15 ケーキ入刀、スピーチ
新婦友人・薬袋(みない)サエ(34歳)
芸能人でもないくせに、ほかに類を見ないほどの大規模な披露宴だ。
コロナ禍もピークを過ぎたとはいえ、決して進行を滞らせまいという一応の配慮なのかもしれない。
茶番じみたファーストバイトの催し物は省略されていて、ケーキカットだけだった。
このくだらない披露宴で、それだけ......
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この記事へのコメント
チー子の話のところでは普通にマサミが好きなのかと思ったけど、最初から支援目的に近付いたのかな?
大学2年の時にすでにそれを思い付いて計画してたなら驚きだけど、相当お金に困ってたのか。
留学中の火遊びの相手がマサミの友達だったのは誤算だったね。