東京のアッパー層。
その中でも、名家や政財界などの上流階級の世界は、驚くほど小さく閉じている。
例えば、ついうっかり“友人の結婚式”なんかに参加すると「元恋人」や「過ちを犯した相手」があちこちに坐っていて冷や汗をかくことになる。
まるで、いわく付きのパールのネックレスのように、連なる人間関係。
ここは、誰しもが繋がっている「東京の上流階級」という小さな世界。
そんな逃れられない因果な縁を生きる人々の、数珠繋ぎのストーリー。
▶前回:慶應幼稚舎受験の直前。軽井沢の別荘で息抜きをしていたら…。母親が後悔することになった事件
Vol.4 P.M.12:40 歓談
新婦元同僚・小橋麻帆(35歳)
美恵子社長の「乾杯!」の一言と同時に、生演奏のパッヘルベルの「カノン」が会場に響き渡った。
400人ほどはいるであろう招待客たちが揃ってグラスを掲げ、社長と新郎新婦に惜しみない拍手を送る。
「それでは、しばしご歓談ください」
司会がそう告げた後も、私はしばらくの間グ......
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この記事へのコメント
しかし…女って怖い。