2.料理、空間ともに意外性溢れる“小劇場”@麻布十番
『NUAGE ET VENT』
劇場型カウンターを備えたレストランは、極めてデート需要が高い。
麻布十番の『NUAGE ET VENT(ニュアージュ エ ヴァン)』は、中でも注目の一軒。
意外性溢れる空間作りと華麗な演出で、大人を非日常へと誘うのだ。
吹き抜けのレセプションの先には舞台のようなカウンターが待ち受ける
“雲と風”という意味を持つ『NUAGE ET VENT』。オープンして約1年、舌の肥えた港区民たちを早くも虜にしているイノベーティブだ。
夜になると、宵闇に浮かび上がる緑に覆われたエントランスがどこか幻想的。
新一の橋交差点から「六本木ヒルズ」へと続く大通りに面していながら、落ち着いた雰囲気が漂う。
そのオーラに導かれるように扉を開けると、瀟洒なレセプションが。
さらに奥の自動ドアが開けば、シェフの山下浩幸さんが立つキッチンを囲むU字型カウンターが現れる。
すべてがシェフズテーブル仕様のカウンター席に腰をおろせば、ドラマティックな世界へと一気に引き込まれる。
和食材を用いた予測不可能なプレゼンに、スマホを取り出さずにはいられない
空間と同様にゲストを高揚させるのが、目の前で繰り広げられるプレゼンテーション。
幻の“青鰻”が土鍋ご飯になって登場したり、大間の本まぐろはサクごと客席を巡ったりと、選りすぐりの食材が非日常な気分を盛り上げてくれる。
「金井さんの小松姫と石司の鮪」。老舗仲卸から仕入れた赤身は、丼にのって〆に登場。
和の食材をテーマに、フレンチや中華などの手法を駆使して作られたコース料理は、いずれも唯一無二の仕上がり。
とっておきの夜に覚えておきたい一軒だ。
ケースも可愛い「銀座ダック」。北京ダックを京鴨やかりんとうなどの和食材で再構築。
すべてコース(29,700円)より。
コースの開始時間になると、自動ドアがオープン。これから始まる美食のスペクタクルに胸が躍る。