3.SNS映えする、芸術作品のような美麗な料理の連続!@東麻布
『クローニー』
料理を芸術作品のように美しく盛りつけるレストランは多いが、完成度の高さなら『クローニー』が群を抜く。
どの皿も立体的に構築されており、精巧な仕上がりには驚くばかり。見せ場はコース冒頭から早くも始まる。
スターターとして供される3種の「スナック」に、粋な遊び心を感じる
住宅街に突如として現れる『クローニー』はそのロケーションにまず驚くが、コースのオープニングを飾るアミューズブーシュが何よりのサプライズ。
「“茶飲み友達”を意味する店名だから、まずお茶でもてなします」
オーナーシェフ・春田理宏さんの言葉どおりに、一服のお茶が供された後、複数のフィンガーフードが次々と登場するのだ。
今や定番の「ポムスフレ」を筆頭に、自然界に存在する黄金比のフォルムを写し取ったような造形美が見事。
冬の今ならカブと毛ガニなど、日本の四季から着想した食材の取り合わせも多く、多様な香りや食感をひとつに融合して緻密にひと皿を構築している。
「石川 能登 甘海老 ホースラディッシュ」。
可憐なアリッサムの花束を思わせる佇まいで、中に甘エビのタルタルが入る。ホースラディッシュの辛みも絶妙。
「北海道 十勝 河田ファームさんの北海黄金のポムスフレ トリュフ」。
ジャガイモを中空状に揚げて、トリュフをトッピング。すべてコース(19,800円)より。
持ち前のセンスにさらなる磨きがかかるモダンフレンチ
メニューには生産者と産地、食材が列記されるのみ。完成品の想像もつかない料理ばかりで最後まで驚きも持続するが、その理由はレストランとゲスト、生産者のつながりを大切にしているから。
三者をつなぐのがセンスあふれる料理で、最初のお茶は出し殻まで使うなど、食のサステナビリティにも果敢に取り組んでいる。
そして、料理に寄り添うワインは、共同オーナーでソムリエの小澤一貴さんのスマートなペアリングで。
ふたりは構えず、ただ美味しく食べるだけで貢献できてしまう。それも貴重な体験だろう。
「宮崎 児湯 新緑園さんの蔵出し熟成茶 本みりん」。
コース冒頭で提供したお茶の出し殻を、アイスに転用。食材を使い切る姿勢を示し、本みりんをかけて完成。
待ち合わせは食前酒を飲みながら。
ホテルダイニングなら当たり前の習慣を、街のレストランでもと設置。デートのエスコートもスマートに。
コンクリート打ちっ放しのモダンなビルが、丸ごとレストラン。
1階にオープンキッチンとバーがあり、メインダイニングは2階というのも珍しい。