2022.09.14
キューティーワイフの逆襲 Vol.12「マイ・キューティー」
13歳上の夫は、美しい妻のことを、そう呼んでいた。
タワマン最上階の自宅、使い放題のブラックカードに際限のないプレゼント…。
溺愛され、何不自由ない生活を保障されたセレブ妻ライフ。
だが、夫の"裏切り"で人生は一変。
妻は、再起をかけて立ち上がるが…?
「キューティーワイフの逆襲」一挙に全話おさらい!
第1話:「噂通り、頭が悪いんですね」突然家に来た夫の浮気相手に挑発された妻は…
出会った頃と変わらず、いや変わらないどころか、英治の里香への愛情は増すばかり。
東京の良いレストランはほぼ行き尽くしたし、彼からのプレゼントは、別途倉庫を借りて保管するほどの量になっている。
かわいい、かわいいと愛でられてきたが、気づけば30歳。彼に求められれば、ママになるという次なるステージも考えている。
「私には、港区セレブママ生活が約束されている」
子どもを入れるインターナショナルスクールで悩むことはあっても、学費で悩むことなどない。里香は、そう信じて疑わなかった。
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第2話:「僕と別れたら、人生終わりだろ?」妻を裏切った夫が、離婚話の最中に見せた冷酷な本性
― ヒマラヤバーキン!?
里香の頭に、美しい白とベージュのグラデーションが思い浮かぶ。まるで芸術作品のような、最高峰バーキン。
…だが、ヒマラヤバーキンはすぐに消え去り、脳内は男女2人がシーツにくるまっている画像に切り替わった。
先ほど頭のおかしい女に見せられた、英治と女のベッド写真。思い出すと、吐き気と怒りがこみ上げてくる。
「そうね、許してあげても…ってそんなわけないでしょ!?浮気の償いをバーキンにさせるなんて、バーキンに失礼だわ!」
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第3話:「私、顔採用なら余裕でしょ?」外見頼みで生きてきた女子大卒・30歳専業主婦の残念すぎる市場価値
里香は、英治の浮気相手がやってきたことや英治の反省しない態度など、昼過ぎからの出来事を洗いざらい話す。その間舞子は、店の名物である東北の貝を堪能しながら、「うんうん」と話を聞いていた。
「浮気しておいて開き直る男なんて最低でしょ。あんな不誠実な男とは離婚する!それで家を出てきたってわけ」
里香が怒りながら話をまとめると、しばらく黙っていた舞子が、目を大きく開いた。
「里香、ヤバくない?」
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第4話:セレブ主婦からの転落。裕福な暮らしが忘れられずに浮気夫の謝罪を受け入れた直後に…
「全く連絡がこないって、どういうこと!?」
里香は、まるで鳴らないスマホを見つめながら苛立っていた。派遣会社に登録したのが、4日前。すぐに派遣会社のスタッフと面談したが、その時の感触は悪くなかった。
経験は浅いが、年齢的にもまだまだ紹介できる案件はたくさんあるため、気になる案件にはエントリーしてほしいと言われた。
面談後、すぐに高時給で好立地の企業にエントリー。受付職を中心に、あとは未経験でも可能な秘書にも応募したというのに、全く音沙汰がないのだ。
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第5話:「私、実は…」夫の浮気相手から満面の笑みで告げられた、衝撃の“ご報告”
「こんな場所でのご報告でごめんなさい。さっきわかったの」
「そ、そうなのか…」
完全に固まってしまった英治の手を握りしめた春奈は、里香に向かって満面の笑みを向けた。
「あんたたち、いい加減にしなさいよ!」
勢いよく立ち上がった里香は、去り際、人目もはばからず大きな声で罵った。
「お望み通り離婚しますから、あとはふたりで仲良くやってちょうだい!二度と私の人生に関わらないで!」
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第6話:「いくら欲しいんだ?」浮気相手を妊娠させたセレブ夫が逆ギレして放ったひと言に、女は…
見知らぬ女たちに好き放題言われて、嘲笑われている。自慢の美貌さえ、ネタにされる始末だ。
悲しさと悔しさがこみ上げてくる。先ほどの失敗も重なって、涙が出てしまう。世の中すべて思い通りだった栄華の時代からの急転落。英治のもとを離れてから、苦難続きだ。
だがきっと、英治がいなければ自分の人生はこの程度なのだろう。
これまでが夢のようだったのだ。現実を思い知らされた里香は、ひどく落ち込んだ。
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第7話:慰謝料の相場とは?浮気夫に“3億円”を要求しようとした妻を襲ったありえない悲劇
あの日。婚姻届を出した後は、今はなき区役所近くのフレンチでディナーをした。
「一生大事にするよ、マイキューティー」
そう誓った英治と、今日別れた。
― 私、これから本当に大丈夫なのかな…。
別れたらもっと清清しい気持ちになると思っていたのに。里香は、ひどい不安に苛まれていた。なぜなら、怒りに任せて、英治ととんでもない条件で離婚してしまったから。
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第8話:「お金が足りない!」経営者の夫と離婚直後、30歳女がとった衝撃の行動とは
頼れる夫もいない今、不安しかない。お先真っ暗だ。涙が溢れ出し、視界がどんどんぼやけていく。その時だった。
「また何か失敗したんですか?」
背後から、聞き覚えのある声が聞こえた。
「また失敗って、どういうことよ!?失礼じゃない!」
黙っているわけにはいかない。涙はピタッと止まり、里香は勢いよく振り向く。そこにいたのは、2時間前にティッシュを差し出してくれた、あのモサ男だった。
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第9話:「2回目のデートに誘われない」残念な婚活女子を救った“モテ女”の助言とは
「私、どうしたら彼氏ができるんだろう…」
いつもの強気な態度とは打って変わって小さな声でつぶやいた舞子は、テーブルにうなだれた。聞けば、出会いを求めてマッチングアプリを活用しているが、1度会ってもそこで終了。2回目のデートに誘われることがないと言う。
先日、舞子的にかなり本気度の高い相手とマッチングしたのだが、案の定1回のデートで終わってしまい、ひどくショックを受けたらしい。
「しかもその男、去り際に、舞子さんはお会いする前のイメージと実際の雰囲気が全然違いましたなんて、失礼なこと言ったのよ。前のめりで色々聞いちゃったのが、よくなかったのかなあ。気になるところは全部突っ込んじゃったし」
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第10話:38歳弁護士とのマッチング中に…。バツイチ女の脳内に浮かんできた、ヤバい妄想
― 自分でビジネスなんて無理に決まってるじゃない。
くだらない妄想を追い出そうと、大きく頭を振ると、松木が心配そうに尋ねた。
「どうされました?」
「ちょっと失礼」
化粧室に駆け込んだ里香が頭をリセットしていると、スマホがブルっと振動した。LINEと一緒に送られてきた画像に、里香は固まってしまった。
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第11話:「ブラックカード使い放題だったのに…」セレブ妻が離婚で転落。再起をかけてあることに挑戦するが…
― 私、なんでこんなことになってるんだろ。
ここ4ヶ月以上、ほとんど休んでいないくらい働き詰めだ。あれだけ前のめりだった松木とは、里香の忙しさを理由に自然消滅してしまった。
仕事など二の次。常に恋愛に生きてきた里香にとっては、かなり異常事態である。我ながら、状況を理解できていない。
「心ばかりですが、よかったらどうぞ」
女の声で、ハッと我に返る。差し出された『オーボンヴュータン』の焼き菓子を受け取りながら、里香は、あの男のことを思い出していた。
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