3.麻布十番で注目の新店!炭と薪の“焼き”で魅せる和食
『麻布室井』
一家言ある出汁の深き味わいに驚く
「白甘鯛と白芋茎のお椀」。
こだわりの出汁は利尻昆布。白神山地の水に2日間漬けて水出しにする。次に昆布を引き出してから火にかけ、沸騰する直前に火を止めて本枯節を入れるのが室井流だ。
その滋味深い旨みは臓腑に染みる。すべてコース(39,600円)の一例。
十番の路地裏に佇む一軒家は「オープン前から予約困難」と評判
檜のカウンターも清々しく、無駄な装飾を排したシンプルな空間。
カウンターの奥で赤々と燃える薪の炎が、温かみのある雰囲気を醸し出す。
笑顔が人懐っこい室井大輔氏。だが、若干31歳とは思えぬ落ち着きとホスピタリティはさすが。
自身も食べることが大好きで、休日はもっぱら食べ歩いているそう。
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特筆すべきは、炭と薪の二刀流で攻める独自の“焼き”の手法。
火力がストレートな炭火は表面をパリッと焼き上げたい食材を。水分を含んだ柔らかな薪火はジューシーに焼きたい時にと素材によって使い分けている。
時には、炭と薪、双方を駆使して焼くことも。また、〆のご飯は薪の薫香を生かすべくのどぐろを薪で焼いて混ぜた逸品。
様々な観点から生まれるオーソドックスでいてどこか新しい味を満喫したい。
薪火ならではの香りの高さと力強い旨みに驚く
〆は「のどぐろの薪焼きご飯」。
薪木を土鍋に入れて蒸らし、米にも薫香を纏わせている。米は冷めても美味しい星空舞。
食べきれない時はおむすびにしてお土産に。
麻布十番の路地裏に、この7月4日人知れずオープン。にもかかわらず、たちまち予約困難となっている。