いつの間にかアラフォーになっていた私。
後悔しているわけじゃないけど、たまに違和感を覚える。
自分とは違う境遇の他人を見ると、特にそうだ。
キャリアや幸せな結婚を手に入れるために、捨てたのは何だっただろう。
私のこれからって、どうなっていくんだろう。
これは葛藤しながらも、自らの幸せのために奔走するアラフォー女子たちの物語。
「いつの間にか、Around40」一挙に全話おさらい!
第1話:親友の結婚報告に戸惑って…。素直に喜べぬアラフォー女へ痛恨の一言
「ごめん!私から誘ったのに遅れちゃった。タクシー捕まらなくて、電車で来たの」
園子みたいに柔らかく笑う女を私は知らない。大変なことも顔には決して出さず、困難にぶち当たっても最後まできっちりやりきる強さもある。園子と組んで良かったと、私は常日頃から思っている。
― きっと、園子もそう思っているはず…。
グラスに注がれたシンハービールの泡を1口、2口と美味しそうにすすると、園子は言った。
第1話の続きはこちら
第2話:「あなた、最後にナンパされたのいつ?」親友の問いに言葉を失った、キャリアもお金もある39歳女
「ねえ、聖良。いくらエステに行って、運動して、素敵なものを着て自分にお金をかけたところで、人はみんな同じように歳を取っていくの」
じっと押し黙っている私に、園子は構わず続ける。
「結婚はしたくなったらって言うけど…。じゃあ、あなた最後にナンパされたのいつ?」
― それ、今の話と何か関係あるの?
第2話の続きはこちら
第3話:「アラフォーって傷つくこと多くない?」先輩の言葉に、38歳絶食系女子が激しく同意した理由
若い頃から、なぜか結婚に憧れはなかった。
でも、大きなお腹を強調するかのように体にフィットしたニットワンピースの紗栄子と、まるで勲章のように「マタニティマーク」をバレンティノのバッグにつけている亜里香を見た時、無意識のうちに、『なんて妊婦ってかわいいんだろう』と、初めて私は思った。
妊婦は周りの人を幸せにするエネルギーに満ちている、そう感じたのだ。
その一方で「赤ちゃんの栄養だと思って食べてたら太っちゃった」と朗らかに笑う2人を見ていたら、自分には何かが欠けている、という気がしてならなかった。
第3話の続きはこちら
第4話:「アラフォーは待っていても縁談も男も来ない」先輩女子からの痛烈な一言に、婚活を決意したが…
幸せそうな妊婦の友人を見て、「私もあっち側に行きたい」と羨む気持ちはある。でも、こうまでして積極的に縁を掴みに行って、仮に結婚できたとして、私は幸せになれるのか?
そして、いきなり降ってきた「婚活」というワードに私は気後れしていた。
「いや、あの、私はそこまでして…」
断ろうとする私を遮って、千春さんは言った。
「何言ってんの?男が向こうからやってくる時代はもう終わったの。これからは積極的に縁を掴む時代よ!」
第4話の続きはこちら
第5話:「もしかして更年期?」悩んでいたアラフォー弁護士女が、夫に言われた衝撃の一言
夫は1人っ子で、私も1人っ子。夫の実家は広尾にあり、私の実家は祖師谷にある。
もし子どもがいたとしても、優しい両家の親たちが手伝ってくれ、何不自由なく子育てができることはわかっている。それに、私の年を考えたら、子どもを作るなら1日でも早いほうがいいと、結婚当初から自覚はあった。
しかし、結婚とほぼ同じタイミングで事務所を開業し、仕事を軌道に乗せることに必死になっていた私は、子どもについて積極的に考えなくなっていた。
子育て資金は潤沢にあるし、子どもができても何とかなるだろうとは思っていた。だが、気がつくと私は43歳になっていた。
第5話の続きはこちら
第6話:「イライラするし、夫婦生活も面倒…」更年期に悩まされるアラフォー妻が、病院で知った驚きの事実
私は広尾にあるレディースクリニックの待合室にいた。
あれからいろいろ調べたが、自分であれこれサプリを試すよりは、婦人科でちゃんと診察を受けるほうが合理的な気がした。
これまで生理痛に悩んだ経験もなく、婦人科は今までの人生でまったく縁がなかった場所だ。若干の緊張を保ちながら、私は診察を待っていた。
「戸田さん、診察室1番にお入りください」
名前が呼ばれる。早打ちする鼓動を抑えながら私は大きく息を吸った。
第6話の続きはこちら
第7話:毎夜0時、彼からのビデオ通話を待つ37歳独身女子。コロナで2年間会えずにいる恋人の秘密とは
月に2、3度タレントや動画の撮影がある時だけ出社するが、そのほかは打ち合わせも、企画会議もすべてオンラインで行っている。
ずっと家で一人でいるのは寂しいけれど、コロナ以前みたいに、出社してみんなと顔を突き合わせて仕事をしていた頃に比べ、仕事に関しての悩みは減った。
心理学者のアドラーの本に『人間の悩みは、すべて対人関係の悩み』と書いてあったけど、本当にその通りだと思う。
私の悩みらしい悩みといえば、彼に自由に会えないことくらいだ。
第7話の続きはこちら
第8話:コロナ禍「リモート恋愛もどき」にハマるアラフォー女子2人。人に言えないお金の使い方とは
「いくら由美香でも失礼ね。当たり前じゃない!じゃなかったら5年も続かないし」
私たち二人の間に、また沈黙が流れた。互いの顔を凝視したまま、私たちはじっと押し黙っていた。
「じゃあ、聞くけど…」
由美香が口を開いた。
「桃、あんた、その男にいくら渡してるの?」
第8話の続きはこちら
第9話:夫のことが嫌いすぎて、3年も夫婦関係ナシの39歳専業妻。それでも離婚に踏み切らない理由は…
カップを置き、2回目の洗濯にかかる。夫のパジャマ、下着、靴下、ピローケース…。私と直人の衣類は1回目、夫のものは2回目で洗うのがルーティン。
洗剤は2倍量、柔軟剤も増量する。夫の臭いを跡形もなく洗い流すために。
なぜなら…私は夫が嫌いで、嫌いで仕方がないのだ。
もっとも最初から嫌いで結婚したわけじゃない。一緒に生活していくうちに、いくつかの節目を経て、次第に嫌いになっていったのだ。
第9話の続きはこちら
第10話:「私ブロックされてる?」夫のインスタが表示されない39歳専業妻。お互いを拒否する夫婦の末路とは?
寝室へ夫の洗濯物を取りに行くついでにベッドを整え、ベッドサイドのテーブルを見ると、無数の本が置きっぱなしになっていた。
読書家の夫は、放っておくとテーブルの上に本が山積みになるのだ。
私はもう何日も置きっぱなしになっている、おそらく読了した本を手に取り、本の天と小口を揃えて本棚に整頓していく。
その時、本の隙間からハラハラと小さな紙切れが落ちた。
第10話の続きはこちら
第11話:いつ結婚?そこそこで手を打つか、本当に好きな人が現れるのを待つか?アラフォー女子の潮時とは?
私から見れば香穂子はまだ結婚に焦る必要のない年齢なのだが、彼女はかなり積極的に婚活に取り組んでいた。
結婚相談所、マッチングアプリ、友達の紹介、元カレの棚卸し…私の何倍も果敢に婚活の大海原に乗り出していった香穂子。に対して、同じように頑張ったつもりでいて、未だに手応えすら感じたことのない私。
この先一人で歳をとっていくのが不安。誰かと結婚したいと常日頃から言っていた彼女は、実際、婚活市場でモテモテだった。
小柄で色白、童顔なのでとても35歳には見えない容姿も人気の理由だろう。そして、そんな香穂子が生涯の伴侶として選んだのは、想定外の相手だったのだ。
第11話の続きはこちら