SPECIAL TALK Vol.86

~フェンシングの格好良さを伝えたい。ハングリー精神があったからこそ駆け抜けてこられた~

金丸恭文氏 フューチャー株式会社 代表取締役会長兼社長

大阪府生まれ、鹿児島県育ち。神戸大学工学部卒業。1989年起業、代表取締役就任。

あくまでスポーツを軸に、ビジネスの世界でも新しい挑戦を

金丸:一線で活躍した選手が裏方に回ったとき、選手や競技のレベルを上げるために尽力されることはよくありますが、太田さんのように観客の立場から考えて、より新しく刺激的な取り組みをしようと奔走された方は珍しいと思います。

太田:待ちの姿勢ではなく、自分たちでファンを獲得し、稼がなきゃいけないと思いましたから。野球やサッカー、ハンドボールのように広い場所が必要なわけではないので、場所を選ばずにできることが我々の強みです。だから企業の研修の一環として、会議室でフェンシングを体験してもらう、なんてこともしています。

金丸:太田さんは、経営者としての視点をお持ちですよね。

太田:実はビジネスにはずっと前から関心があります。

金丸:その興味って、どうして生まれたのですか?

太田:小さい頃から、興味を持ったことは何でも知りたいと思う性分でした。末っ子なので両親がかまってくれたこともありますが、「お父さん、なんで?」としょっちゅう聞いていましたね。「なんで?」「なんで?」を繰り返すうちに、今に至るという。

金丸:「なんで?」と疑問を持ち仕組みを知ろうとするのは、人の成長には欠かせません。

太田:ただハンドボールリーグの理事もそうですが、これまでは自分で切り拓いてきたというより、みなさんからいろいろと声をかけてもらい導かれた結果だと感じています。自分が今持っているもので勝負するだけではダメと思いながらも、なかなか新たな挑戦に踏み切れないまま35歳になってしまって……。それで新たな挑戦として、今年3月にスマホのゲーム会社「マイネット」の社外取締役に就任しました。

金丸:ゲーム会社ですか?いったいどうして?

太田:これまでの活動で、スポーツにはITやAIを生かせる余地が大きいということを学びました。「マイネット」は、これまで培ったデジタルの力でスポーツを進化させようとしていて、共に進化させていきたいなと。今年9月には、僕の生まれ故郷である滋賀県のプロバスケットチーム「滋賀レイクスターズ」の経営に「マイネット」が参画し、まさかこんなかたちでつながるとはと縁を感じています。

金丸:なるほど。その環境ならお互いの強みを生かせますね。アスリートなら、過去の経験を生かして、スポーツに軸を置いたまま活動した方がいいというのが私の持論です。よくあるのが、元スポーツ選手が安易に飲食店をやって失敗したというケース。フェンシングやハンドボールに限らず、日本はアスリートのセカンドキャリアについて、もっと真剣に考え、支援していく必要があります。

太田:まだまだ新しい道を歩き始めたばかりで悩むことも多いですが、これからもチャレンジし続けたいですね。

金丸:アスリートとして培ってきた突破力があれば、きっとうまくいきますよ。今日のお話を伺って、太田さんがどんどん前進しようとされているのが分かり、今後の活躍が楽しみで仕方ありません。ぜひ一緒に日本のスポーツ界を盛り上げていきましょう。今日は本当にありがとうございました。

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