2021.11.20
SPECIAL TALK Vol.86フェンシングの道は、スーパーファミコンから始まった
金丸:早速ですが、お生まれは何年ですか?
太田:長いこと「阪神が最後に優勝した年」と言われていた、1985年です。
金丸:もしかして、太田さんもタイガースファン?
太田:関西生まれということもあって、どちらかというとタイガースファンですね。
金丸:タイガースファンなら「どちらかというと」なんて言っちゃダメですよ(笑)。ちなみに私は、筋金入りのタイガースファンです。
太田:僕はそんなに熱狂的じゃないので(笑)。
金丸:関西出身ということですが、どちらですか?
太田:滋賀県大津市です。比叡山のふもとにある比叡平というところで育ちました。標高400メートルくらい、人口3,000人ぐらいの地区ですが、実はこの地区からシンクロ、競泳、フェンシングと、僕を含めて3人のオリンピック選手が出ています。
金丸:すごいですね。いったいどうして?
太田:たまたまとしか言いようがないです。でも比叡平のことを、僕は勝手に“オリンピックタウン”と呼んでいます(笑)。
金丸:数字の上だと、1,000人に1人がオリンピックに出られる街ですからね。スポーツが盛んな地区なんですか?
太田:それがまったく。スポーツ関係者というより、京都大学の先生や陶芸家のような、ちょっと風変わりな人が多いです。京都と滋賀の間の別荘地帯としてつくられた街なので、電車は通っていないし、バスも1時間に1本くらい。子どもの頃はコンビニもありませんでした。
金丸:そんな場所で、ご両親はどんなお仕事をされていたのですか?
太田:両親とも小学校の先生です。
金丸:教員一家でいらしたんですね。
太田:教育についていろいろと考える機会も多くて、今は次世代の育成に興味があります。やっぱり僕にも、教育者の血が流れているんだなと。
金丸:ところで、フェンシングを始めたのはいつですか?
太田:小学3年生のときです。
金丸:フェンシングって、当時はかなりマイナーな競技だったと思いますが、練習できる環境が周りにあったのですか?
太田:いえ。最初は自宅で父と練習していました。
金丸:ということは、お父様はフェンシング経験者だった?
太田:『怪傑ゾロ』にあこがれて、高校の3年間だけ習ったそうです。自分は大成しなかったけど、子どもにもやらせたかったみたいで。僕には兄と姉がいるんですが、ふたりにもフェンシングをさせていました。
金丸:では、きょうだい全員がフェンシングを?
太田:それが兄は1週間、姉は3日でやめてしまって(笑)。
金丸:全然、思いが伝わらなかったのですね(笑)。
太田:父にとっては僕が最後のチャンスだったので、「何とか雄貴には続けさせよう」と試行錯誤して、結果、モノで釣るという秘策に。父に「スーパーファミコンを買ってあげる」と言われて、僕はコロッと(笑)。
金丸:オリンピック選手の第一歩が、スーパーファミコンだったとは驚きです(笑)。
太田:ちょうど3年生のときに、スーパーファミコンが発売されて。だから僕も飛びつきました。ただ、手に入ったものの、フェンシングの練習のせいでゲームが全然できず、代わりに兄と姉がずっとやってました。
金丸:漁夫の利ですね(笑)。でも、お父様の狙いは当たって、太田さんはフェンシングをやめなかったんですね。
太田:とはいえ、最初は嫌でしたよ。でも始めたその日に、僕は滋賀県チャンピオンになりましたから。
金丸:えっ、始めた日に?どういうことですか?
太田:だって、滋賀県の同世代でフェンシングをやっていたのは、僕だけでしたから(笑)。
金丸:なるほど(笑)。マイノリティだけど、マイノリティだからこその価値が生まれる。
太田:おっしゃるとおりで、全国一になればどんなに競技人口が少なくても、地方紙では大きく取り上げられます。そういうのを見て、小学生ながら面白いなと思いました。
金丸:フェンシングのほかに、スポーツはされていたのですか?
太田:子どもの頃から走るのも泳ぐのも学校では1番でした。でも市の規模になると、全然でしたね。大人になってから「鶏口牛後」という言葉を知りましたが、「フェンシングだと全国で圧倒的に1位」という状況を経験したおかげで、何か行動を起こすときには「自分が勝てるところはどこだろう」と考えるようになりました。
金丸:フェンシングで世界を極めるまで、もちろん相当な努力をされたと思いますが、そんな視点を小さな頃から持っているというのは、才能じゃないかと。
太田:才能という点では、人のマネをするのはうまかったですね。父やコーチがやってみせてくれたことを、マネしてできるようになるのが、僕は極端に早かったんです。その上で努力したことが、今につながっているのだと思います。
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