2013.04.20
夏を美味しく乗り切る! ちょいゴージャスな料理たち Vol.6小麦も蕎麦も、旬は夏だった
ピッツァ、ラーメン、蕎麦……、粉ものは
梅雨から夏にかけてが美味しい旬の時期だという。
2013.04.20
夏を美味しく乗り切る! ちょいゴージャスな料理たち Vol.6ピッツァ、ラーメン、蕎麦……、粉ものは
梅雨から夏にかけてが美味しい旬の時期だという。
普段、あまり“旬”という概念を向けることのない粉モノ。しかし、移ろいゆく季節が、料理の味や香り、風味などに影響を与えることは言うまでもなく、一年のうちで特に美味しさが際立つ時期=“旬”は、当然、粉モノにも存在するのだ。
「ピッツァは、梅雨に作られたものが最高に美味しい」。そう話すのは、ナポリピッツァの専門店『ピッツェリア エ トラットリア ダ イーサ』の店長を務める山本尚徳氏。本場の世界ピッツァ選手権で連続優勝を果たした、今最も注目のピッツァ職人だ。
「ピッツァの要は、生地。その生地作りで重要なのが、発酵させる時の気温と湿度なんです。通常は24度前後の密閉空間に熱湯を入れ、暖かく湿度の高い環境を作ります。しかし5~6月はこうした手間をかけなくても、生地にとって最適な状況が自然と整う。どんな工夫も自然の環境にはかないません」。絶妙な発酵状態を経た梅雨時のピッツァは、通常よりも小麦の旨みが濃く、驚くほど軽い食感に仕上がるのだ。
また、ラーメン店『麺や 七彩』では毎年8月の1週間のみ、宇都宮にあるラーメン店『花の季』が自家栽培する、新小麦を使ったつけ麺を提供。代表の藤井吉彦氏は「青々とした香りと強い甘み、モチモチの食感は、採れたてだからこそ堪能できる特徴です」と語る。
通常、市場に出回る小麦は、収穫後、ある程度素材の状態が安定するまで製粉され、しばらくの間寝かされることになる。しかし、自家栽培を行う『花の季』では、収穫から製粉までを短期間で進めることが可能。
「新小麦の高い水分量に合わせ、加える水の量を緻密に調整する」という『七彩』の製麺技術とともに、この貴重な旬の味に出合えることを感謝したい。
そして、日本人として忘れてはいけない粉モノと言えば、やはり蕎麦。特にここ数年は、春に種を蒔いて7~8月に収穫を行う“春蒔き蕎麦”という品種が話題になっている。『手打ち蕎麦 炙 多心』の店主・山田心氏にその魅力を聞いた。
「実は、春蒔き蕎麦にも2回の旬がある。最初は収穫したての初夏。この時期は、清涼感のあるフレッシュな香りが特徴です。次に訪れる旬は9月頃。この頃になると素材が熟成され、深みのある味わいを堪能できます」。
旬を知ると、なじみの粉モノも少し特別な逸品に見えてくる。これからは具材やトッピングだけではなく、生地や麺からも季節を感じてみてはいかがだろうか。
旨みが凝縮したトマトソースとたっぷりのモッツァレラチーズ、爽やかな香味のバジリコをのせた、ナポリピッツァの代表格、マルゲリータ。イーストはほとんど使用せず、梅雨は余った生地を少量だけ混ぜて、緩やかに発酵を促す。
山本氏によると、「人の手をなるべく加えずに作ることが、美味しいピッツァを作るコツなんです」とのこと。食欲を刺激する香ばしさや、噛みしめるほどに広がる奥深い甘み、何枚でもいただけそうな極めて軽い食感は、生地にとってベストな環境を生み出す、梅雨ならではの魅力と言える。 マルゲリータ ¥1,650
※こちらの店舗は現在移転しております。掲載情報は移転前の情報です。
詳しくは下記レストラン情報をご確認ください。
まずは旨みの豊富なもろみとおろしたての山葵だけで、麺そのものの風味を感じてほしい。青々しい小麦の香りが鼻に抜けた後、焼き立てのパンを彷彿とさせる甘くふくよかな風味が漂う。小麦ヌーヴォー2013 ¥1,000
※こちらの店舗は、現在閉店しております。
やはりまずは、蕎麦だけを何もつけずにすすり、味わいたい。冬蕎麦とは趣の異なる、若々しく上品な芳香が鼻腔を突き抜けるはずだ。せいろ¥730
2014.06.21
Vol.16
2014.06.21
Vol.15
2014.06.21
Vol.14
2014.06.21
Vol.13
2014.06.21
Vol.11
2014.06.21
Vol.10
2014.11.21
Vol.9
2014.06.21
Vol.8
2013.07.21
Vol.7
2012.08.21
Vol.4
2013.04.20
2023.12.31
2015.08.25
2015.07.20
2020.12.30
2024.09.27
2024.09.11
2017.09.21
2017.05.23
2018.11.21