恋に仕事に、友人との付き合い。
キラキラした生活を追い求めて東京で奮闘する女は、ときに疲れ切ってしまうこともある。
すべてから離れてリセットしたいとき。そんな1人の空白時間を、あなたはどう過ごす?
vol.1 甘い栗スイーツと、辛口のシャンパン
Asami:そっか、朋美と行きたかったけど…。用事があるなら仕方ない!また何かあったら誘うね~。
友人・亜沙美からのLINEが届いた、日曜18時。キッチンの窓から見える外は薄暗く、明日からまた1週間が始まる切なさが漂っている。
私は、地元勝沼のピオーネで作られた甘めのロゼワインを飲みながら、小さくため息をついた。
朋美:ごめんね!楽しんできて♡
角が立たぬようハートを付けて返信すると、スマホをシンクの横へと置いた。
フリーランスのモデルとして活動する彼女から誘われたのは、渋谷のレストラン&バー『SOAK』。ここには『OYU(おゆ)』というルーフトップテラスがある。
その名の通り、お湯に浸かりながらお酒を楽しめるという、いかにもインスタ映えしそうなスポットだ。
もちろん全く興味がないわけではないし、行けばそれなりに楽しめるだろう。でも、私は用事があると嘘をついて断ってしまった。
最近、亜沙美のInstagramには“美容外科医でインフルエンサーのKOJI”という男性が、頻繁に登場する。
今回もきっと、その人経由での誘いなんだろう。しかしKOJIは、亜沙美の彼氏でもなんでもない。
彼の投稿やストーリーに登場しタグ付けされることで、16万人のKOJIのフォロワーの目に留まる。それが亜沙美の目的なのだ。
私だって、フォロワーを増やしたい気持ちはある。でも彼女の誘いに乗って、それほど親しくない人と遊びに行く生活に疲れてしまった。
…これが、今の私の本音なのである。
この記事へのコメント
それに食べ物やワインなどの描写を、とても丁寧に書いているのが伝わってきました。
渡辺さんといい感じになるのといいです。朋美は、自分みたいな人を世間はかわいそうと思うのかなと言っていたけど全然そんな事ない!1人の時間を楽しめる大人の女性はとても素敵です。
あと目の前で絞ってくれるモンブラン!!この前インスタで見て美味しそうだった。
今週はマンプスやジム依存、内部生元カノ、熱帯魚を網で救わせる夫等....キャラが濃くてイライラする登場人物多かっただけに、この連載は平和だしホッとするので来週も楽しみ!
1つ楽しみな連載ができました!