こじれたふたり Vol.6

彼と何回夜をともにしても「好き」と言ってもらえない。脱・遊び相手を決意した女はついに…



「え~!?志保、いつのまにショーンくんとそんな関係になってたの?知らなかった!」

後日、美玲は驚いたり、喜んだりしながら、終始私の話を興味津々に聞いてくれた。

「でね、その~…」

けれど、自分で美玲を呼び出していて、いざ本題に触れようとすると少し恥ずかしくなった。客観的に見れば、いい歳をした大人が相談するような内容じゃない。まるで、中学生のような恋愛相談。

けれど、賢い女性は小気味よい。志保は、察したよといわんばかりにニヤリとほほ笑んだ。

「わかったよ。ショーンくんはアメリカ人とのハーフだから、日本の告白から付き合うっていう通常の流れをわかってない可能性があるか聞きたいのよね?」

彼女の察しの良さに安堵するも、彼女の口から出てきた言葉は私が望んだものではなかった。

「ショーンくんが何を考えているかは、もちろんわからないよ。だた彼は日本生まれの日本育ちで、インターに通ってたわけでもなければ、アメリカに住んだこともないらしい。なんなら、英語も少ししか話せないって」
「…え、そうなの?」

そういえば、彼の生い立ちを聞いたことがなかった。ぱっと見の華やかさから、海外経験が長くて、派手な交友関係なんだろうと勝手に思い込んでいた。

ふと、アニメばかりの本棚を思い出す。

― もしかして、私ショーンのこと全然知らないのかも。

「繰り返すけど、ショーンくんが何を考えているかはわからないよ。普通のデートもしてるんでしょ?別に関係をもっちゃったからって、全部終わりってわけでもないと思うよ」
「…でも、ショーンくん絶対モテるだろうし。私、そんな美人でもないし…」

気の許せる友人を前にすると、ついつい本音や弱音を吐いてしまう。

「あ~、また始まった。志保、こじらせすぎだって」

あははとカラッとした声で笑い飛ばす美玲を見ていると、少しは元気がでてくる。

「…そうだよね」

明るく元気な彼女と一緒に笑って過ごす時間は、最高だ。

…最高なのだけれど、やっぱり現実は残酷なわけで…。

彼女と別れひとりになると、密に抱いていた淡い期待が消え失せたという現実に辛くなった。


美玲の言う通りだ。ショーンが本当は何を考えているのか、私たちにはわからない。

だた、ショーンは日本生まれの日本育ち。アメリカナイズされた恋愛観を持ち合わせているわけじゃない。そんな彼と私は、体の関係を何度かもっている。けれど、関係に進展はない。

これが事実なのだ。

......


【こじれたふたり】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo