「愛ではなく、金目当てで結婚するのは女性だけだ」という考えは、もうひと昔前のものなのかもしれない。
男にだって“玉の輿願望”があると、私たちはなぜ気づかなかったのだろう。
これは逆・玉の輿で成り上がりたいと願い、夫婦になった男と女の物語。
あなたの周りにも、逆玉狙いの男がいるのかも…?そこのお嬢さんも、どうぞお気をつけて。
超がつくほどイケメンの医大生・拓(27)
「うわ、まじか…」
私立医大に入学してすぐの、ある朝のことだった。
学校の前に停まっていたのは、ベンツにBMW、レクサスやフェラーリといった高級車たち。それらがずらりと並んでいる光景に、思わず声が出た。
車の持ち主たちは、至ってシンプルだが洗練された服を身にまとっていて、見るからに“お金持ち”といった風貌。
彼らが自分と同級生だと知ったときのやるせなさは、今でも覚えている。
「拓。私立の医大に入ったら、同級生と生活レベルが合わなくて苦労するわよ」
母親の心配は、ずばり的中してしまったのだった。
しかし俺は、セレブな友人たちとすぐに打ち解けた。185cmという高身長に韓流スター顔負けのルックス、さらに地頭の良さが武器になったのだ。
一方で、彼らと住む世界が違いすぎることに戸惑ったりもした。
有名別荘地には当然のようにセカンドハウスを持ち、西麻布では連日派手に飲む。そしてグルメ会と称し、1人何万もするディナーを頻繁に楽しんでいる。
― 俺も、この世界に溶け込みたい。
医者になることと同じくらいその願望が日に日に強くなっていた、ある夜のことだった。
参加していた飲み会で、1人の女に声をかけられたのだ。
この記事へのコメント
ただ結婚したと同時に冷たくなるって、あからさま過ぎ。