
~ゼロからつくる喜びを感じながら、知られざる途上国の底力を伝えたい~
「二度といじめられたくない」柔道を始め、すぐ県内トップに
金丸:早速ですが、ご出身はどちらでしょう?
山口:埼玉県の旧大宮市です。今はさいたま市になっています。
金丸:途上国でビジネスをされているからには、かなりガッツがあるのではと思いますが、子どもの頃から活発でしたか?
山口:そんなことはないです。むしろ内気でした。
金丸:それは意外ですね。
山口:というか、小学校ではいじめられていました。上履きがなくなったり、教室では自分の椅子がなくなっていたり。
金丸:それはひどい。
山口:それで不登校になって。中学に入ってからも1年生のときはあまり学校に行けず、2年生になって柔道部に入りました。
金丸:どうして柔道だったのでしょう?
山口:やっぱり二度といじめられたくなくて、フィジカルに強くなろうと思ったので。
金丸:実際、強くなれましたか?
山口:埼玉県で1位になりました。
金丸:県で1位!?すごいですね。埼玉のレベルが低いわけじゃないですよね。
山口:埼玉は結構強いほうです(笑)。
金丸:展開が早すぎて(笑)。もともと何かスポーツをされていたのですか?
山口:いえ、特にはしていません。でも運動神経はいいほうだったと思います。
金丸:その自覚はあったんですね。
山口:いや、それも柔道を始めてから気づきました。
金丸:もっと早く気づきましょう(笑)。足も速かったんですか?
山口:そうですね。速いけど、走るのは嫌いです。
金丸:それはもったいない(笑)。せっかくの潜在能力なんだから生かさないと。ところで、小学校も中学校も地元の学校ですか?
山口:そうです。
金丸:では、小学校のときに山口さんをいじめた同級生も、同じ中学に進んだんですよね。
山口:はい、いましたね。
金丸:ここだけの話、リベンジはしましたか?
山口:それはしてないです(笑)。でも、柔道で頑張ろうと思って。
金丸:県で1位ですからね。全国大会での成績はどうでしたか?
山口:16位でした。
金丸:すごいですね。自分より強い中学生が15人しかいないって。そもそも柔道を選んだのはなぜですか?
山口:たまたま学校の道場で、女の子が男子を投げ飛ばしているのを見て、「かっこいいな」と思って。
満足できたから柔道は引退。教育を変えるという夢へ前進
金丸:女子柔道で県1位となれば、いろいろな高校から「ウチに来てくれ!」とオファーがあったでしょう?
山口:はい、ありましたが、私が選んだのは県立の大宮工業高等学校でした。
金丸:工業高校?また珍しいですね。女子柔道部が強かったんですか?
山口:いや、男子柔道部しかありませんでした。
金丸:では、なぜ大宮工業に?ほかに女子柔道部が強い学校があったのでは?