vs.美女 ~広告代理店OLの挑戦~ Vol.3

「恥かかせないでくれない?」上司と得意先からの言葉に、女が唖然とした理由

美人か、そうでないか。

女の人生は“顔面偏差値”に大きく左右される。

…それなら、美しく生まれなかった場合は、一体どうすればよいのだろう。

来世に期待して、美人と比べられながら損する人生を送るしかないのか。

そこに、理不尽だらけの境遇に首をかしげる、ひとりの平凡な容姿の女がいた。

女は次第に「美人より、絶対に幸せになってやる!」と闘志を燃やしていく。

◆これまでのあらすじ

念願叶って大手広告代理店の経理部から、華の営業部に異動した園子。美人ぞろいの部署になじもうと、お金をかけて服とメイクを一新するが、陰口を言われうんざりする。

そこでトレーナーとなる「清華さん」という人物の話を聞く園子であったが…。

▶前回:「私、何やってるんだろう」可愛くなりたくて自分に“投資”した女が、職場で聞いてしまった衝撃の事実


噂話で聞いた「清華さん」と会社で初めて顔を合わせたのは、営業部に配属されて2週間後の朝だった。

全身黒色のジャケットとパンツ、そしてピンヒールで颯爽と現れた彼女は、園子の前で立ち止まり話しかけてきたのだ。

「山科園子。あなたね」

― 突然、呼び捨て!?

かすかに眉をひそめた園子の表情にはまるで関心を示さない様子で、清華は長く茶色いストレートの髪をバサリとかきあげる。

「あなたのトレーナーに指名された、遠藤清華です」

威圧感のある声に「はい」と返事をしながら、園子はあっけにとられていた。彼女の口調には、これっぽっちも愛想というものがなかったからだ。

― いくら後輩とはいえ、初対面の人にこれだけ態度が悪いなんて、どうなのよ?

心の中で言いながら、横目で清華を見る。すると彼女はスタスタと窓際まで歩いていき、デスクの上にドスンとバッグを置く。そして椅子に座るや否や、足を組む。

ガサツな人だな、と園子は思った。

…でもエレベーターホールで噂されていた通り、綺麗な人だ。さっぱりとした雰囲気でありながら、他の誰よりも目立つ。

170センチ半ばくらいありそうな身長、細くて長い脚、白い肌に形の良い目。

リモートを積極的に活用しているため、久々の出社であった清華に、周囲の人がニコニコしながら声をかけている。そんな彼らに対し、談笑などせず真顔で受け答えをしている。

― 無愛想な人ねえ。

心の中でつぶやいた途端、母親のある言葉がよみがえってきた。

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