vs.美女 ~広告代理店OLの挑戦~ Vol.2

「私、何やってるんだろう」可愛くなりたくて自分に“投資”した女が、職場で聞いてしまった衝撃の事実

そして迎えた、月曜日。

みんなを驚かすために意気揚々と身支度をしていると、父親が嬉しそうに声をかけてきた。

「園子、なんかキラキラしてるなあ。さすが美人ぞろいの営業部の子だ!」

園子はその言葉にはにかんだ。試着したワンピースは、とても気に入ったので即決。その後、クロエでバッグも購入した。

さらに日曜日は、フェイシャルサロンとエステでメンテナンス。そして、美容院で酸熱トリートメントなるものをしたら、髪は嘘みたいにツヤツヤとなった。

― でしょ!変わったでしょ!

父親の言葉をお守りに、いつもよりマシな気持ちで出社すると、早々に手応えがあった。

「えー?山科さん、なんか雰囲気変わった!」

「ね!そのワンピース、可愛いですね!」

デスクに来てみると、その島の女性社員たちは以前とは違う園子の姿を見て、一気に反応したのだ。

園子はニコニコしながら、お礼を言って席につく。ウキウキする気持ちが止まらなかった。

― 馴染めるかもしれない!

ここ数日、心臓をずっしりと重たくしていたものが取り払われたような気分だった。引継ぎ研修にも身が入る。

…けれど、そんなに単純なものではないことを数時間後に思い知ることになる。



「お疲れさまでした」

軽い足取りで執務室を出ると、エレベーターホールから話し声が聞こえてきた。


「雰囲気、すごく変わったと思わない?」

聞こえてきたのは、女が陰口を言うとき特有の口調だ。小さい声で、深刻そうに、それでいて何よりも楽しそうな声。

園子はそういうのを感じるアンテナが発達している。だから、エレベーターホールの手前で足を止めた。

「…ね、さすがご令嬢な......


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