憂鬱(ゆううつ)―。
まるで曇り空のように、気持ちが塞ぎ込んでしまうこと。
失恋を経験した人だったら、少なからず経験したことがある感情だろう。
”ドクターK”と呼ばれる男も、ある失恋をきっかけに、憂鬱な日々を過ごしていた。
彼はかつて、医者という社会的地位も良い家柄も、すべてを忘れて恋に溺れた。
恵まれた男を未だに憂鬱にさせる、叶わなかった恋とは一体―?
◆これまでのあらすじ
代々病院を経営する家に生まれ、恋愛の自由が許されていない医師・影山修史(34)。彼は、女性に対して本気になることはなく、その場限りの付き合いでいいと割り切っていた。ある時、同僚の明石の誘いでクルージングに出かけた影山は1人の女性と出会うが…。
▶前回:「合鍵、もらってもいい?」医師が25歳の彼女と結婚を考えた矢先、実家に猛反対されたワケ
5年前の4月、僕は同僚の明石に誘われ、クルーザーで初島に向かっていた。
港を離れ、見える景色はすぐに水平線と雲だけになった。非日常的な空間に身を委ねていると、同僚の明石が声をかけてくる。
「どうだ、影山。最高だろ?あと1時間くらいで初島だ」
船は半年ほど前に明石の父......
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この記事へのコメント
もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対て思った相手が
銀座クラブのママ。。。
予想外でいい!
人の心が動くスイッチてわかりませんな